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保護者が知っておきたい!経口補水療法について
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    保護者が知っておきたい!経口補水療法について

    『知ろう!小児医療 守ろう!子ども達』の会 代表 阿真京子



    (2012年6月15日 配信)



    6月 2日(土)は日本小児救急医学会学術集会でした。

    この中のシンポジウム「小児脱水治療と経口補水療法(ORT)のこれから」にて小児医療の活動と経口補水療法の普及について、発表いたしました。



    先生方から発表のあったことについて、特に保護者の皆さんと共有したいことについて

    触れたいと思います。(シンポジウムの登壇者・詳細は http://2zj1k.tk



    小児は、一日の体重あたりの水分必要量が高い

    乳児 100ml/kg 成人 30ml/kg そのため、脱水を起こしやすい



    西神戸医療センターの上村克徳先生のお話では



    米国の調査では

    点滴をした子、経口補水(ORT)をした子、の、2時間後、4時間後の効果に有意差が見られませんでした。

    どころか

    ●入院率は ORT 30.6% 点滴 48.7%

    ●救急外来滞在時間 ORT 226分 点滴 358分

    ●保護者の満足度 ORT 77%が満足度が高い 点滴 38%が満足度が高い



    また合併症が少ない、というデータも出ている、とのことです。

    点滴をせずにこれだけ効果があれば、

    子どもにとっては

    ?痛くない

    ?長時間拘束されることない

    ?縛り付けられる怖さもない

    とてもいい療法だとのこと。



    点滴だけに頼らない文化、点滴だけが必ずしも良いわけではないということの考え方の普及が必要だというお話もありました。



    昨年の震災で、避難所ではお手洗いが衛生的でなかったり外にあったりで、

    水分を極力控える方が多くいたそうで、脱水症の発生が非常に多かったそうです。

    水に溶かすタイプは溶かす水がないということで、ペットボトルタイプがすごく喜ばれたとのこと。

    病院に搬送しようと思った中等度の脱水があった避難所のお子さんもしばらく医療者に見守られながら

    OS-1を飲み続けた結果、遠くの病院まで行かずに済んだということもあったとのことでした。



    上村先生からご発表のあったエビデンスシート 6sge3.tk

    当日の配布資料について、公開の許可をいただきましたので、こちらもご一読をおススメいたします。

    p18gm.tk



    協力医でもある鹿児島のみなみクリニックでは、点滴を年間276例していたが、ORTを導入したことで

    48.8%まで減少。現在、年間20〜30例まで下がってきているとのことでした。



    吐いている患者に飲ませる行為をするということで保護者への丁寧な説明が必要、

    そこが面倒なので、点滴をしているという病院が多いとのことです。



    もちろん重症のお子さんには点滴が必要なのですが、点滴をするにしても30〜40分ORTを試してから

    点滴をすることでスタートが早いため回復も早い(点滴を準備する時間にすぐに飲み始めることができる)

    ことと血管が太くなり点滴がしやすくなるということでした。



    吐いている子に飲ませることは無理?と思っている医療者もいまだ多いようですが、ごく少量からスタート

    しますので、待ち時間を利用し、待っている間に診察室に入る頃には回復してる、というお子さんも多い

    とのことでした。

    逆に点滴の場合は、待合室で待っている間に脱水が進んでしまう、ということもあるので、注意が必要ですし、

    点滴を打ちたい親御さんも経口補水をしながら待つということが必要だとのことでした。



    南武嗣先生からは親が覚えやすい飲ませ方についても説明がありました。



    10kgのお子さんには 10ml/5分・15kg 15ml/5分・20kg 20ml/5分

    つまり1時間で

    10kg 120ml ・15kg 180ml ・20kg 240ml を飲ませるのが目安だそうです。



    またこちらは広島・舟入病院の森看護師からのお話でしたが、冬場のウィル性胃腸炎では嘔吐のときには

    心配が募るもの・・・嘔吐を乗り越えてほっと一息。その後、下痢が始まりますよね。

    小児は頻繁な下痢をすると脱水に陥りやすいので、気付いた時には重症脱水、という子も多いそうです。

    下痢している子にはすぐに経口補水を、とありました。



    現時点ですと、病院側も点滴をすれば診療報酬の点数がつきますが、ORTを行なっても何もつきません。

    また患者側も点滴ですと無料ですが、OS-1は有料です。

    「点滴の必要はありません、おうちでOS-1で様子を見て」と医療者が伝えても、

    親に拒否されることも多々あるようです。(とにかく点滴を打って、とのことですね)

    また点滴をしないのは手抜き、と非難されることもあるそうです。



    私もこれまで点滴並みだと思い、使用をしたり、皆さんへ周知を呼びかけたりしてきましたが、

    正直ここまで効果があってここまでそのエビデンスまである、ということに驚きました。



    また、こちらはランチョンセミナーでの発表でしたが、手術前の経口補水療法もとても効果が証明されています。

    今月中にガイドラインができるそうなので、もっと普及が進んでいくことと思います。(現在は360程の施設で導入されているそうです。)

    詳しくはこちらをご覧ください。

    http://gakken-mesh.jp/info/wp-content/uploads/2011/03/1011.pdf





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