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流行が続いている 水ぼうそう情報
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    (2014年2月15日配信)                                      阿真 京子

    毎年、保育園で流行する水ぼうそう。一昨年、息子の通う園ではあっという間に感染が
    広がり、70人がかかってしまったこともありました。例年は春に流行が多いかと思いますが、昨年は年末に流行がありました。

    インフルエンザ同様、かかっても軽く済むから、と安易に考えてしまう方が多い病気。
    でも当会の小児医療講座で小児科医から「水ぼうそうは日本で毎年約100万人がかかり、約4000人が重症化し入院、約20人が死亡しています。(近年は10人程の年も)」と聞いたときには、とても驚きました。リスクが高く免疫力が低下している子どもは、ワクチンを打ちたくても打てないことがある、ということもこの時初めて知りました。

    その子達にとっては命とりになる水ぼうそう・・・巷に流行させないことが本当に重要なのだと認識を改めました。

    これまで多くの小児科医から定期接種化が必要!と半ばお怒りの声もお聞きしてきましたが、ついに今秋から定期接種となるニュースが入ってきました。
    昨年末、委員を務めている厚生労働省の第3回予防接種・ワクチン分科会では、
    水ぼうそうのワクチンについては、1回の接種で罹患を80〜85%程度防げる、
    そして“重症化”は“ほぼ100%防げる”、とされていると報告がありました。

    また、1回接種で不十分な抗体上昇しか得られなかった方も、2回接種することで
    十分な抗体を獲得することができるとの報告がありました。
    接種の方法や期間はこれから変更の可能性もありますが、現状では以下の通りとなっています。

    ========厚生労働省・予防接種基本方針部会資料より======================
    ■対象年齢 生後12ヶ月から36ヶ月に至るまでの間にある者。
    ■接種方法 2回皮下注射 3ヶ月以上の間隔をおくものとする。
    ■標準的な接種期間 生後12ヶ月から15ヶ月まで初回接種。
    追加接種は、初回接種終了後6ヶ月から12ヶ月までの間隔をおいて1回。
    ■経過措置 生後36ヶ月から生後60ヶ月までで一度も打ったことのない者を対象に1回接種 ※但し、平成26年度限り
    ※すでに水痘に罹患したことがある者は接種対象外。任意接種として既に水痘ワクチンの接種を受けたことがある者は、すでに接種した回数分の接種をうけたものとする。』
    ========厚生労働省・予防接種基本方針部会資料ここまで======================

    となっております。打ち忘れのある3〜5歳のお誕生日の日までのお子さんは、来年度中であれば、接種が無料となるようです。
    (上記については現在も検討しており、現段階の案です)

    私の周囲でも昨年末、大流行していた水ぼうそう。妊娠していた友人が、娘さんが
    かかった際、自分に抗体がないことがわかり、自分がかかってしまうと
    時期によっては胎児に影響が出ることもあるので、とても心配な日々を過ごしたようです。
    水ぼうそうは現在日本のどこにいても流行してしまう病気です。
    ワクチンの記録はもちろんのこと、罹患の記録なども母子手帳などに記録しておく、
    ワクチンも罹患もしていない場合は妊娠前に接種が必要だと改めて思いました。

    今回の定期接種化で、流行が収束し、水ぼうそうで命を落とす子がゼロとなる日も近いことに、胸をなで下ろしています。

    それでは、今回はあかちゃんとこどものクリニック院長である田中秀朋先生に水ぼうそうについて詳しく解説をいただきます。
    ======================================================================
    あかちゃんとこどものクリニック院長・田中 秀朋

    <水ぼうそうってどんな病気?>
    半日くらいの間に首や顔、体幹の皮膚に水を持った発疹(水疱)や赤い丘疹がたくさ
    ん出現し、かゆみを引き起こし、敗れた水疱はかさぶたになります。水ぼうそうにかかると1週間くらい登園や登校ができなくなります。

    感染力が強い(空気感染するので、患者さんがいなくなった後の部屋に数十分間感染力が持続します。つまり人と接触しないのにうつされるのです)ために外出なども制限されます。ご家庭で看ていただける病児保育ならOKでしょうが、集団保育で水ぼうそうは難しいと思います。預かってもらえない可能性が高い病気です。(安易に預かる施設はそれはそれで心配です。)保護者が仕事を休まざるを得なくなります。

    急性期は熱やかゆみに苦しんだり、治った後は皮膚にみずぼうそうの痕が残ったりする場合があります。とびひ(伝染性膿痂疹)になってしまったり、アトピー性皮膚炎の症状が悪化したりすることもあります。

    大人や免疫不全の人がかかると重症化し、肺炎になったり、命を落としたりすることがあります。今でも日本で毎年十数名の方が水ぼうそうで命を落としています。

    水ぼうそうにかかった人は、将来帯状疱疹という病気で長期間つらい痛みに苦しむ可能性が高いと考えられます。水ぼうそうの治療薬はありますが、軽症で済ませるためにもワクチンで予防すべき、と私は考えます。

    <水ぼうそうになったら?>
    水ぼうそうは治療薬があるので、発症したら早めに治療開始した方がよいので、疑ったら小児科を受診すべきと考えます。その際に、待合室などで周囲に感染させてしまうので、当院では入口も分けて、隔離室で待機、診察を行います。直接の接触がなくても感染する可能性があるので、事前に受診することを電話で伝えて、待機場所も指示してもらうことが望ましいと思います。

    <ワクチンはいつ受けるの?>
     1歳になったらワクチンを受けられます。1回接種での予防効果は70-80%と言われ
    ています。ワクチン接種者の1/4から1/3の人が罹患しますが、その場合も症状が軽く
    済みます。(発疹の数が少ない、かさぶたにならずに治るなど)2回接種によって予
    防効果はさらに高まります。私のクリニックでは、多くの1歳児が誕生日から1か月以
    内にMRワクチンと一緒に水痘ワクチンとおたふくかぜワクチンを接種しています。

    <緊急接種って何?>
     水ぼうそう患者と接触して72時間以内に水ぼうそうワクチンを接種すれば予防可能とされています。実際には、72時間以上前の接触によって発症することもありますので、この緊急接種で確実に予防ができるとは限りません。空気感染する水痘は、患者との直接の接触がなくても感染することがあるからです。子どもが1歳になったら早めに接種することをお勧めします。

    ※免疫力が低い子どもとは?
    先天性の免疫不全症の患者さんや白血病や悪性腫瘍の患者さん、臓器移植後に免疫抑制剤を投与している患者さんが該当します。これは子どもに限らず大人でも一緒です。

    あかちゃんとこどものクリニック院長・田中 秀朋「水ぼうそうってどんな病気?」より
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    (日経DUAL 「保育園で流行する水ぼうそう、なったらどうする?」 
     より加筆掲載)
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