しろうジャーナル 掲載記事ブログ

麻疹が流行しています
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    (しろうジャーナル Vol. 97 2016年9月15日配信)

     

     

    かるがもクリニック 院長 宮原篤先生

     

    MRワクチンの優先順位

    9月に入りMRワクチンが逼迫しており、最も流行している大阪府や兵庫県でも

    流通が充分ではありません(厚労省はMRワクチンは不足しているのではなく「偏在」

    していると説明していますが)。

     

     お子さんを守るため、優先順位が必要です。ご理解とご協力をお願いします。

    大阪では以下の順序で行っているようです。

     

    1)1歳以上2歳未満の初回接種対象者

    2)初回接種の接種漏れ(2歳以上で追加接種の対象になっていない者)

    3)追加接種対象者

    4)6か月以上1歳未満で緊急接種の対象者は麻疹単独ワクチン接種すべき

    (MRワクチンの優先順位:9月15日に追記しました)

     

     

    麻疹が流行しています

     

     

    当初幕張メッセ(ジャスティン・ビーバー)から広まるかもしれないと言われた麻疹ですが、その後関空職員・立川駅近くのイベントでも麻疹患者が確認されています。

     

     

    麻疹は空気感染で同じ空間にいただけでも感染します。すでに、「幕張メッセ」「関空」などの単語では麻疹患者を振り分けることが困難かもしれません。

     

     

    対策はワクチン

     

     

    今後何処で麻疹に感染するか分からない状況になると思います。対策は麻疹ワクチン(MRワクチン)です。

     

     

    いつ接種する?

     

     

    定期接種において麻疹ワクチン(MRワクチン)は1歳から接種できますが、0歳でも自費になりますがワクチン接種は可能です。

     

     

    通常は母親からの移行免疫が無くなる生後6ヶ月から接種しますが、母親が妊娠中の検査で麻疹抗体が少なかった場合、早めに接種したほうがいいでしょう(母親も)。母子手帳などでご確認をしてください。

     

     

    保育園などの集団生活をしている場合は生後6ヶ月から、母親妊娠中の麻疹抗体が少なかった場合はもっと早期から麻疹ワクチンは接種可能です。ワク チン未接種で麻疹患者と接触した場合も、72時間以内であればワクチンが有効な時があります。その後でも接触後6日以内であればグロブリン製剤(血液製剤)で症状の緩和が期待できます。

     

     

    1歳になったら再接種を

     

     

    0歳児で麻疹ワクチン(MRワクチン)を接種して副反応が特に強くなるということは無いとされています。

     

     

    0歳児で接種しても免疫が減弱しやすいことが知られています。ですので、1歳になったら速やかに定期接種のMRワクチンを接種して下さい(前回の麻疹ワクチンから27日は間隔をあけて下さい)。

     

     

    はしか(麻疹)ってなあに?

     

     

    沖縄県小児保健協会

     

    詳しくまとめられています。

     

    沖縄は麻疹が多いのです・・・

     

     

    副作用についての考え方

     

     

    麻疹含有ワクチンの副反応で最も多いのが発熱・発疹です。接種後7−10日ほどで起こります。1日か長くても2日で下がります。

     

     

    他にも副反応が列挙されることがありますが、ほとんどが「紛れ込み」です。脳炎脳症は100〜150万人接種に1人以下、急性血小板減少性紫斑病 は100万人接種に1人程度と言われています。年間100万人ほど出生する日本で、ほぼ同人数接種するMRワクチン(1期・2期だと200万人)接種者の 1-2人が何かしらの重篤な症状を起こした場合、ワクチンの副反応と100%断定することも100%否定することも困難です。

     

     

    日本にはワクチンの救済制度というものがあります。しかし、任意接種と定期接種で金額が違いますし、個人輸入のワクチンには原則ないものだと思ってください。私はそのリスクがあってもワクチンは接種すべきだと思います。

     

     

    万が一の健康被害が起こったら?KNOW VPDの会

     

     

    一歳未満での接種にこだわる理由

     

     

    どうして私がここまで0歳時での接種に言及するかというと、0歳時での麻疹感染は重症化しやすく、死亡率も高いからです。

     

    また、麻疹感染して数年後に発症する亜急性硬化性全脳炎(SSPE)も0歳児での感染が多いのです(致死性)。

     

    以前6ヶ月未満の赤ちゃんが麻疹に罹り、程なくして母親が麻疹に罹った事がありました。赤ちゃんへの移行免疫がなければ、母親が罹るのが当然ですよね。

     

     

    個人的な話をすれば、私は0歳の時に麻疹にかかりました。お友達の親が予防接種をしない方針で、そのために私は感染したのです。痙攣して生死をさまよったと聞いています。

     

     

    以上 かるがもクリニック ブログ 9月2日の記事より転載

     

     

     

    ★麻疹についてもっと詳しく★

     

    ■はしか 知っておくべき5つのこと(NHKニュース)


    http://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/200/252396.html

     

    ■麻しんってどんな病気?麻疹に関するQ&A(厚生労働省)

     

    http://www.mhlw.go.jp/qa/kenkou/hashika/

     

    ■麻しんってどんな病気?(VPDを知って、子どもを守ろう。)

     

    http://www.know-vpd.jp/vpdlist/hashika.htm

     

    ■麻しんQ&A(東京都感染症情報センター)

     

    http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/measles/measlesqa/mashinqa3/

     

    ■麻しんが原因で数年後に発症する『亜急性硬化性全脳炎(SSPE)』(致死性)について(国立感染症研究所)

     

    http://www.nih.go.jp/niid/ja/iasr-sp/2306-related-articles/related-articles-422/5640-dj4228.html

     

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    | shirouiryo | ワクチンについて | 09:00 | - | - | - | - |
    予防接種がいやだな・・・という方へ(連載4回シリーズ)
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      (しろうジャーナル NO.82  2015年6月15日配信)

      ひだまりクリニック 小児科医・佐山圭子


      第4回
      6.接種しないとどうなるか

      自然罹患すると、一定の確率で合併症にかかります。おたふくかぜの場合、自然に罹った患者の1000人に1人くらいの割合で「ムンプス難聴」という治らない難聴になります。

      重症化すると命にかかわる病気もあります。麻疹肺炎や麻疹脳炎、細菌性髄膜炎、百日咳や日本脳炎……。『弱い子』に感染させる可能性も、もちろんあります。『弱い子』というのは、予防接種ができない子、つまり悪性疾患・先天性免疫異常症・免疫抑制剤を内服している基礎疾患を持っている子と、ワクチンの接種年齢に達していない赤ちゃんのことです。

      自然にかかって免疫を得るということが自然でよいことである、と考えるのは、それぞれのご家庭のお考えでいいのかもしれません。
      しかしそれは保護者の考えです。お子さんの立場で考えた場合、現代を生きる子どもとして当然受ける権利のある医療のメリットを受けられていないということになります。

      だから、厳しい先生からは「医療ネグレクト」という言葉すらでてくるのです。たとえば、宗教上の信条のために輸血をさせないで、いのちの危険になるのも医療ネグレクトです。
      現在は子どもの命のために一時児童相談所が親権をはく奪して手術をすることになっています。親の信条や事情を優先して、当然現代では治療できる病気を治療させないのが医療ネグレクトです。子どもの医療を受ける権利を親が奪っていることをいいます。

      また、お子さんが将来外国に留学する場合、親の転勤で海外に行くことになったら、入園入学時の予防接種の証明は必須です。定期接種時期がすぎていると全額自費ですから、それまでに受けていない場合は数十万円になる例も聞きます。渡航までに時間が少ない場合は同時接種ということになるでしょう。任意接種となりますから、万が一のときの補償額も定期接種のときよりもかなり低いものになります。

      医療不信が、予防接種忌避の気持ちの底にはあるのでしょう。けれど医療をすべて拒否するのはもったいないと思います。「予防接種は毒である」と主張する人は、予防接種をしなかったために病気になった時に治療してくれますか?それどころか、「重くなったら病院へ」と言っていませんか?

      私は、医療は納得が大事だと思います。よく考えて納得できる答えを出してください。もし、接種しない選択をされる場合は、何があっても自分の責任だと引き受ける覚悟と、
      周りの接種してくださる方々に感謝する気持ちを持っていただきたいと思います。
      みなさんは、新幹線・飛行機・地下鉄・車に乗りませんか?おそらく「乗りません!」という方はほとんどいないでしょう。先人たちの努力と工夫でより便利により安全になっている文明のメリットではないでしょうか?どれもが『絶対の安全』はないですが、リスクは少ない、そして、生活にないと本当に不便でしょう?現在運航されているものを裏方で支えている専門家の人のことも見えていないです。

      同じことが予防接種でも言えると思います。多くの人たちが、よりよいものをと努力してきた結果が今のワクチンです。まだまだ日本の予防接種には世界に追い付いていない問題点があります。でも、どんどんよいワクチンになり、どんどんよいスケジュールになっています。

      今の赤ちゃんは幸せだと思います。専門家を信用して、現代に当然のようにある恩恵を得るという点で、飛行機・電車・車を利用することと、予防接種を受けることは共通していることだと思います。

      5年前の赤ちゃんよりも、細菌性髄膜炎になることは格段に減りました。ポリオの生ワクチンによってポリオの麻痺になることもなくなりました。日本でもヒブ髄膜炎はほとんど消えた病気になっています。50年前の赤ちゃんに比べて、麻疹や風疹の脅威にさらされることもほとんどなくなりました。先天性風疹症候群も減りました。ここ数年の大流行は、過去の風疹の定期接種制度に問題があって成人の免疫が低いために起こりました。何年も先の赤ちゃんに影響が出ているのです。


      受けたくないというのは、もったいない。自然にという気持ちが強いのかもしれませんが、今の日本では全くの自然にこだわるのはむしろ不自然に思えます。医療と自然は両立すると私は思っています。お産が医療によって守られているために安心して自然分娩ができるのと一緒です。現代医療のメリットのいいところどりをしてもらいたいと思います。


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      | shirouiryo | ワクチンについて | 07:00 | - | - | - | - |
      予防接種がいやだな・・・という方へ(第二回)
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        (しろうジャーナル NO.80 2015年4月15日配信)
        ひだまりクリニック 小児科医・院長 佐山圭子先生

        予防接種がいやだな・・・という方へ(連載4回シリーズ)
         第2回
        2.生後2か月から接種
         
        赤ちゃんはお母さんの胎盤経由で抗体という免疫物質をもらって生まれています。このため、生後半年頃までは風邪を引きにくいといわれています。だんだんお母さんからの免疫がなくなり、自前のものを作ります。お母さんからの免疫がなくなってしまう前に、赤ちゃんが罹ると命に関わる病気の免疫をつけてあげたい。だからこそワクチンデビューが生後2か月なのです。

        ときどき、「小さいので接種が不安だ」という意見も聞きますが、小さいからこそ早く接種してあげたいのです。「もう少し大きくなってから」というのは根拠もないことで、逆に無防備で危険な時期が長くなるだけです。
         

        3.同時接種
          早く効率よく免疫をつけてあげるために同時接種は必要です。海外のように六種混合などがあると一度で接種できますが、2015年の日本では不可能です。(個人輸入しているクリニックではできます)

        同じ日に複数の予防接種をする同時接種は、赤ちゃんが痛い思いをして可哀相と思うかもしれません。しかし単独接種ですと何回も通院することになり、保護者と赤ちゃんの負担が大きいこと、また終了するまでに時間がかかってしまうことから免疫の獲得が遅れるというデメリットがあります。

        私のクリニックでは、生後2か月でヒブと肺炎球菌の同時接種、希望者にはロタワクチンとB型肝炎のワクチンの任意接種も同時にしています。

        日本小児科学会
        それから
        VPDの会

        が勧めるスケジュールは上記の通りです。(リンク先をご参照ください)

        上記スケジュールに沿って同時接種すると(任意接種も受けた場合)、生後2か月で4種類・生後3か月で5種類・生後4か月で4種類・生後5か月で1種類ということになります。月に一回の通院ですませていけるので、スケジュールも簡単に作れます。

        これを単独接種にするとどうなるのか。
        ・生後2か月での4種類を単独で接種すると4回通院7週間かかります。
        ・生後3か月での5種類を単独で接種すると5回通院8週間かかります。

        どんどんスケジュールがずれこみ、母親から胎内で受けた免疫が落ちてくるのに間に合わなくなってしまうのです。
        同時接種を2か月からしていると、母親からの免疫力が下がってくる前にスケジュールを修了することができるのです。
        ロタワクチンには終了までの期限がありますので、それに間に合わせるという条件も加わります。同時接種をしていると難しい条件にはなりません。
         

        4.副反応
         
        赤ちゃんの時期に接種するワクチンの副反応としてよくあるものは肺炎球菌で、だいたい5人に1人くらいの割合で翌日までに発熱します。早いと数時間で、長くても1日で下がる方がほとんどです。熱だけで他に症状はなく機嫌もよく全身状態はよいというものです。これは副反応ということではありますが、よく免疫がついたと考えてもいいもので、単独接種でも、同じことが同じ率で起こります。同時接種をしたために熱が長くなったり高くなったりすることはありません。
         
        予防接種をした後だけ風邪を引かない、病気にならないということはありません。赤ちゃんが予防接種を受ける時期は突然死が起こることが多い時期と重なりますので、予防接種をした後に突然死にならないということはありません。予防接種をしてもしなくても同率で起こる突然死が、偶然にも予防接種の翌日に起きると副反応と間違えてとらえられたりすることがあります。それを紛れ込み事故といって、このために一時同時接種での見合わせがあった時期がありました。

        けれど、それは統計学的に完全に否定され、一か月後に、同時接種は安全ですから同時接種を勧めましょうということになり、以前よりもずっと同時接種はすすんでいます。同時接種をしないと、任意を含めるとスケジュールはこなすだけでも大変になります。また、単独接種の場合は、予防接種後の日が多くなりますので、何か起こらないかな? と気をつかう日が多いということになり、精神的に負担となるでしょう。
         
        また、同時接種をした場合、どのワクチンが副反応の原因になっているかはわからなくていいのです。(局所の腫脹などは、接種部位を記録することが大事ですが)定期接種と任意接種を同時にすることで、万が一の場合、定期接種の保障額が支払われるということも同時接種のメリットだとされています。
        (定期接種と任意接種では万が一のときの補償額は全く違います)
         
        ※次回は「予防接種を受けるメリットとデメリット」についてです。

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        | shirouiryo | ワクチンについて | 08:26 | - | - | - | - |
        予防接種がいやだな・・・という方へ(第一回)
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          (しろうジャーナルNO.79 2015年3月15日 配信)
          ひだまりクリニック 小児科医・院長 佐山圭子先生

          第1回
          <はじめに>
          クリニックを始める前に医療講座を担当したとき、予防接種がテーマになることがありました。予防接種が不安だという方の気持ちも考えつつ、医師として、受けないことの危険を知っているからこそ、ちゃんと伝えないと・・・と一生懸命取り組んだものです。

          現在は予防接種に関する情報がたくさんありますし、自分のクリニックのHPでもワクチンの重要性や同時接種のメリットを書いていますので、ひだまりクリニックには不安な方はあまりいらっしゃいません。基本的に接種しようと思っている方、受けないことは危険であると理解している方がほとんどです。納得できるようにご説明しようと思っていますが、最初に不安を口にする方は世間一般の割合よりもかなり少ないと考えられます。

          一方、やはり保健センターの健診などでは、不安な方が一定割合でいます。乳児健診(4か月くらい)で、予防接種欄が真っ白という方も(最近は少ないのですが)やはり確実にいらっしゃいます。(5〜6年前は、乳児健診のときのBCGが初めての予防接種という時代でした。今は生後2か月から予防接種です)

          予防接種について考えること、良いものかどうかを検討すること。子どものことに関して熱心に考えるという姿勢は素晴らしいのですが、判断の材料にしている情報に偏りはないでしょうか? 予防接種を子どもに受けさせないというのは、自分の病気の治療で医療拒否をするのと違います。子どもの意志は、そこにはないからです。

          以下の文章は、予防接種を不安に感じている親御さんに向けて書きました。長いので4回に分けた連載となりますが、ぜひお読みください。

          初回は近年変化の多い予防接種制度についてお話します。
          1.目まぐるしく変わる予防接種制度について
           
          日本は20年ほども世界の情勢から取り残されていました。2009年に新型インフルエンザが流行して大騒ぎになったのをきっかけに気づいた方も多かったでしょう。あのとき、新型インフルエンザのワクチンは輸入に頼るしかなく、やっと手に入ったころには流行はおさまっていました。

          その頃、ヒブ・肺炎球菌のワクチンは先進国では常識で、細菌性髄膜炎は過去の病気となっていました。
          しかし日本では2008年12月にようやくヒブワクチンが発売されただけで一般にはほとんど知られておらず(小児用肺炎球菌ワクチンは当時未承認)、年間約1000人の子ども(そのうち半数以上は0歳未満)が発症し、そのうち5%が死亡し、20〜25%が後遺症となっていました。

          2つのワクチンは2013年4月から定期接種となりましたが、その定期接種化に向けて一生懸命活動された方々は、お子さんが細菌性髄膜炎を経験された方、治療したものの後遺症が残ったお子さんの親御さん方なのです。日本の予防接種が世界から遅れること20年…その間に細菌性髄膜炎で亡くなった日本の子どもは、何百人もいます。後遺症を残してしまった子はその4〜5倍もいます。
          「日本でなければわが子はこの病気にはならなかった」と親御さんが知ったときの苦しさはどれほどのものだったでしょうか。

          ここ数年、ヒブ・肺炎球菌の定期化、不活化ポリオワクチンの承認と定期化、四種混合の承認と定期化、水ぼうそう二回接種定期化と、予防接種が変わっています。開始時期については現段階で未定ですが、B型肝炎の定期接種化も決定しました。
          これは、国をあげてこれらの感染症の流行や患者数を減らし、なくしていこうという姿勢の表れです。
          社会全体の接種率をあげることで、基礎疾患や接種年齢に達してないという理由で予防接種ができず免疫を持てない人を守ろうということです。

          目まぐるしい変化に感じるかもしれませんが、極端に遅れていた世界常識にようやく追いつこうとしているだけなのです。現に、進んでいる国では、四種混合どころか六種混合の接種となり、被接種者の負担が軽くなっています。

          ※次回は「生後2か月から接種する理由」と「同時接種」「副反応」についてです。


           
          | shirouiryo | ワクチンについて | 04:19 | - | - | - | - |
          破傷風について
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            (2014年3月15日配信)

            破傷風について

            かるがもクリニック(東京・世田谷区) 小児科医・宮原篤

             

            お子さんが生後3ヶ月になって接種するワクチンの一つに、三種混合ワクチン・四種混合ワクチンというのがあります。
            内容は、三種混合ワクチン(
            DPT)がジフテリア(Diphtheria)、百日咳(Pertussis)、破傷風(Tetanus)です。
            四種混合ワクチンではこれにポリオ(
            IPV)が混ざります。

             

            百日咳やポリオは最近話題にもなりましたが、ジフテリアや破傷風はそれほどご存じない方もいらっしゃるかもしれません。
            しかし、破傷風は土があるかぎり日本でも発生し続けますし、
            2011年の東日本大震災では被災者やボランティアによる
            破傷風発症が目立ちました。今回は、破傷風について取り上げてみます。

             

            関連記事【厚生労働省】

             

            〈破傷風〉

             

            破傷風は、土の中にいる破傷風菌が出す神経毒素によって起こります。神経毒素は脳や脊髄の神経に作用し、
            ひどくなると全身の筋肉麻痺や強直性痙攣を引き起こします。

             

            こちらは破傷風の有名な絵です。全身の筋肉が硬直し背中が反り返っています。後弓反張(こうきゅうはんちょう)と
            いいます。

             

            「震える舌」という映画でも破傷風を取り扱っています。破傷風の怖さというのが分かります(閲覧注意)。

             

            〈一番の対策はワクチン〉

             

            破傷風の対策の一つは「破傷風菌」に触れない事です。しかし、程度の差はあれ土には必ず破傷風菌が存在します。
            「破傷風菌は空気を嫌う嫌気性菌だから、空気があれば感染しない」という人もいたようですが、これは正しくありません。
            環境が変わると破傷風菌は「芽胞」というものに姿を変え、空気に触れても煮沸しても死ななくなります。
            やはり、一番の対策はワクチンでしょう。

             

            子どもの場合は一般的には三種混合ワクチン(四種混合ワクチン)を合計4回接種します。その後DTワクチン
            (ジフテリア・破傷風)を、
            11歳から接種します。破傷風の免疫は10年ほど期待できます。

             

            ですので、本来は10年おきにDTワクチンをまたは、後で書く成人用三種混合ワクチン(Tdap)を接種するのが望ましいです。

             

             

            〈接種漏れの場合〉

             

            問題になるのは、今まで接種してこなかった方々です。国立感染症研究所からの文章を一部引用します。

             

            (以下、上記HPより引用)

            1940 年代後半から1950 年代前半にかけて、ジフテリア、百日咳単味ワクチンが接種されるようになり、その後、
            ご質問にあります
            DPワクチンが1950 年代後半から接種されるようになりました。その後1964 年(昭和39 年)からは
            DPT ワクチンの使用が一部で始まり、1968年(昭和43年)からは、DPTワクチンが多く用いられるようになっています。

             

            ただし、この頃のワクチンは全菌体百日咳ワクチンを含むDPTワクチンであったため、副反応が問題になったことと、
            死亡例がみられたことなどから、厚生省は
            1975 年(昭和50年)21日に、百日咳ワクチンを含む予防接種の一時中止を
            指示しています。一部の地域ではこの頃、
            DTトキソイドを用いていたところもあるようですが、具体的にどこが使用
            していたかはわかりません。

            (引用以上)

             

             

            その他、予防接種被害報道も重なり、昭和50年前後の三種混合ワクチン接種率自体も減りました。ご自身の予防接種歴を
            母子手帳などでご確認ください。紛失した・あるいは接種が未完了の場合は、はじめから打ちなおしたほうがいいかも
            しれません。いつ災害、事故に巻き込まれるかは誰にもわからないのです。

             

             

            破傷風トキソイド(またはDTワクチン)は、基礎免疫は3回(0,1ヶ月、6-18ヶ月)で接種します。
            百日咳の抗体を付けたい場合は、輸入品になりますが成人用三種混合ワクチン(
            Tdap)を接種してもいいでしょう。
            三軒茶屋にあるふたばクリニックの説明もご覧下さい。

             


            〈どんな傷も、破傷風のリスクはあります〉

             

            もちろん、土に汚染された可能性のある傷で深く汚染された場合は、まずは傷口を洗い流し、ワクチンをしていても
            医療機関に行くことが大切です。古釘を踏んでも感染のリスクはありますし、意外なところでは動物に噛まれても
            感染することが有ります。野生動物は食べ物を食べるときに土も口の中に入るのです。
            | shirouiryo | ワクチンについて | 08:20 | - | - | - | - |
            子どものB型肝炎ワクチンとB型肝炎について
            0
              子どものB型肝炎ワクチンとB型肝炎について
              ひだまりクリニック(東京・杉並)院長 佐山圭子先生
              (2012年7月15日 配信)

              1. B型肝炎ってなに?
              肝臓は右の横隔膜のすぐ下にある臓器で、栄養分の生成や貯蔵・薬物などの代謝や解毒・止血物質の合成・胆汁の産生・感染の防御などの多くの生命維持のための重要な機能があります。大きな臓器で、予備能も高く(半分以上切り取られても十分な働きができる)再生能力もあります。そのため「沈黙の臓器」と言われ、病気になっても症状が出にくいです。
              肝炎にはウイルス性・薬剤性・アルコール性などがあり、ウイルス性のものは患者数が多いです。ウイルス性にもいろいろな種類があり、主にはA型B型C型の三種類です。
              感染性の肝炎はウイルス性のものが多く、これには多種類があり、A型B型C型が日本では多いです。A型肝炎は慢性化することはなく、2週から一か月ほどの潜伏期間で、食中毒のようなタイプで、汚染された食物(生ものや水、有名なのは生ガキ)を摂取することで急性肝炎を起こします。劇症化して重症になることはまれながらありますが、慢性化することはありません。
              それに対して、B型肝炎・C型肝炎は慢性化することもあります。どちらも慢性化したものの一部は肝硬変やさらには肝癌を起こすことも一定の割合であります。

              2.B型肝炎になると、どうなるの?
              成人が感染するのは、性行為感染症がほとんど(90%ほど)です。そして、B型肝炎に感染すると、成人している場合は、急性肝炎を発症します。一部劇症化しますが、多くは免疫の力で治癒します。中には、重症化して劇症肝炎となり、死亡することもまれですが、あります。急性肝炎を起こしたものの中の10%ほどは慢性化するといわれています。
              乳幼児期に感染すると、特に3歳未満ではキャリア化することが多くなります。キャリアというのは、免疫の力が弱く、免疫反応を起こして排除しようとせず、身体の中に取り込んで一緒に共存する形と考えるとわかりやすいでしょう。キャリアは体液を介して、他人に感染の危険があります。でも、症状はないため(検査では抗原←ウイルスが陽性ですが)感染させる可能性があることを知らない人も多いです。無症候キャリアといいます。
              乳幼児の感染経路はキャリアからの体液の接触です。たとえば、よく知られているのがキャリアの母親からの出産時の感染で垂直感染というものです。妊娠中に検査され、キャリアの場合は、出産後に母子感染防止事業の対象となり、公費負担で検査と予防処置が受けられます。それが、今の日本のB型肝炎の予防の方法です。
              そのほかに、乳幼児期は肌を合わせたり、食べ物の口移しなどの接触をすることも多く、母に限らず、キャリアの父や祖父母から感染することもあります。これを水平感染といいます。
              乳幼児期にキャリア化した場合、30歳前後までに治癒機構が働き、抗体が産生され、治癒することが90%ほどで起こり、残りの10%ほどが慢性化します。その慢性化したものの中から一定の割合で肝硬変・肝癌の発症があります。
              急性肝炎の治癒、キャリアからの治癒、という状態になると一安心ですが、最近は、これで一生再発はないわけでないことが話題です。つまり、最近出てきている分子標的薬(癌治療薬)などで、免疫抑制状態になると、治っていたと思われていた肝炎ウイルスが再び活性化して(再燃)肝炎が起こってくることが問題になっています。

              3. なぜ、今、B型肝炎ワクチンが騒がれているの?なぜほったらかしだったの?
              日本の母子感染防止事業をきちんとやっていけば、キャリア率はどんどん減ると言われてきました。私も医学生時代そう教育されました。当時の新聞にも「40年後はキャリアはゼロに」という見出しの記事があります。
              ところが、そうはならなかったのです。母子感染事業の失敗例がかなりの数字になっていたり、父親や祖父母や兄弟からの感染でキャリア化する例もあります。また、最近では、B型肝炎の中の何種類もある遺伝子型の内、「海外型」と言われるタイプのものが多くなっている(特に都市部で)ことも調べられています。感染症が流入してきて、感染者が増えているということです。この海外型は慢性化しやすいことも知られています。
              キャリア率は現在もかわらず、1〜2%であるといわれています。日本には150万人ほどのキャリアがいると言われていて、そのうち90万人ほどは症状がないために自分がキャリアだとは気付いていないらしいのです。
              最近は集団生活の開始が低年齢化していることも懸念材料の一つで、実際にキャリアの保育士による集団感染も起こっています。また、乳幼児のキャリア化する感染では、感染時に症状が出るわけでないので、いつの時点でどう感染したかわからないままキャリア化していることが後になって判明するこどもも出ています。
              そういったことが明らかになってきて、過去の病気であるという認識がだんだん間違っていたとわかってきたのです。ここ数年で、この病気に対する見方が随分変わってきました。
              ほったらかしだったわけではもちろんありませんが、今までの日本の予防方法は逆に手間がかかり、失敗例も多かったということがわかってきたのです。
              B型肝炎ワクチンが販売されてから間をあけずに、母がキャリアであるか否かに関わらず生まれてきた子ども全員にワクチンを打つという方法(ユニバーサルワクチンといいます)を採った台湾ではキャリア率は30%から10%に減り、B型肝炎由来の病気はこれにより減少しています。
              それに対して、日本では、キャリア率も下がってはないし、B型肝炎由来の病気の増加が続いています。

              4. B型肝炎とかC型肝炎とかニュースで聞くことあるけど、どう違うの?
              両方慢性化する肝炎でB型肝炎は乳幼児期にキャリア化する問題と成人での性行為感染症が問題です。対して、C型肝炎は、輸血や薬剤性針刺し事故などが問題です。
              C型肝炎にはワクチンはありません。A型肝炎とB型肝炎にはワクチンがあります。
              5.キャリアかどうかはどうやったらわかるの?
              B型肝炎の抗原や抗体を調べます。その結果によって、感染が今どの程度の進行にあるのか、また、感染力がどの程度かも調べられます。全く症状がなく元気であるけれど、キャリアであるということもあります。けれど、キャリアかどうかを確認しないまま、ワクチンを受けても問題ありません。

              6.最後に
              VPDの会のB型肝炎の情報もごらんください。http://www.know-vpd.jp/hbv/index.htm
              スマートフォン対応の予防接種スケジューラーも便利なアプリです。待たれていた不活化ワクチンバージョンに代わりました。http://www.know-vpd.jp/vc_scheduler_sp/index.htm

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              | shirouiryo | ワクチンについて | 23:50 | - | - | - | - |
              ポリオについて NO.2
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                ポリオについてNO.2

                5.いつ頃不活化ポリオワクチンができるのか?

                随分前から日本でも不活化ポリオワクチンを導入すべきだという声が出ていました。

                しかし、国は輸入ではなく国産にこだわりました。詳細は省きますが、日本ポリオ研究所での開発が失敗し、開発が滞っていました。


                世論に押される形で、不活化ポリオワクチン(IPV)は現行の三種混合ワクチン(DPT)との組み合わせで世に出る予定です(IPV-DPT)。

                公費接種で打てるようになるのは来年度ではないかという声もあるのですが、いろいろな声を総合するとどうやら再来年度になりそうです。
                「もやしもん」で不活化ポリオワクチンについて取り上げられたとき、選択肢として「3.もう少し様子を見る」

                (つまり、不活化ポリオワクチンも生ポリオワクチンもしない)というのがありましたが、これは冒険行為です。

                これからも行政で生ポリオワクチン接種が行われる以上、接種された子どもの便から二次感染が起きる可能性があるのです。
                http://setagaya-syouni.cocolog-nifty.com/blog/2011/06/post-1a82.html



                調布市で、来年度から不活化ポリオワクチンが始まるというアナウンスがありました。

                http://www.city.chofu.tokyo.jp/www/contents/1313569415389/index.html



                直接調布市に問い合わせてみたのですが、春・秋のいつ切り替わるか不明だそうです。

                このような状況で「平成23年度の秋の接種対象者(平成22年7月1日生〜平成23年6月30日生)へのお知らせを、

                予定されていた時期より早く送付させていただきます」というのは一体どうしてなのか、疑問です。



                追伸:
                9月5日に調布市のサイトを再確認したのですが、表記が変わっていました。
                【表題:ポリオ予防接種のワクチンが生ワクチンから不活化ワクチンへと移行予定です(平成24年度中)
                本文:現在,生ワクチンを使用して実施しているポリオ予防接種ですが、
                平成24年度中に不活化ワクチンを使用した接種へと移行する予定となっています。】



                【表題:ポリオ予防接種のワクチンが生ワクチンから不活化ワクチンへと移行予定です
                本文: 現在,生ワクチンを使用して実施しているポリオ予防接種ですが、
                平成24年度中にも不活化ワクチンが認可されるという報道があり、
                認可されればすみやかに不活化ワクチンへ移行することを検討しています。】

                へと変更になっていました。



                6.日本で開発される不活化ポリオワクチンってどういうの?


                日本で開発される不活化ポリオワクチン(IPV)は大きく分けて2つあります。

                一つは前述のIPV-DPTです。



                それから単独のIPV。

                IPV-DPTが市場に出る課程で「つなぎ」としてのIPV単独ワクチンが必要なため、急遽開発が要請されました。

                事実上輸入ワクチンのサノフィパスツール製のIPV(多くの施設で今使われています)が使われる予定です。

                問題は国産のIPV-DPTです。IPVは国際的には毒性の強いウイルス株(ソーク株)を不活化させて(殺して)作ったものです。

                しかし日本で開発しているのは、このワクチンと、今生ポリオワクチンで使われている、毒性の弱いウイルス株(セービン株)から作られたワクチンの2つです。
                世界で例を見ないセービン株で作られた不活化ポリオワクチンは、どのくらい効力があるのか、現行の不活化ポリオワクチンとどの程度互換性があるのか、分かりません。




                7.そもそも日本で輸入物のポリオワクチンをしていいの?



                10年以上も前の平成12年に当時の丹羽雄哉厚生大臣が、

                「最初の段階ではいわゆる個人輸入という形になると思いますけれども、そういう形で接種することは可能だ」と明言しています。
                http://blog.goo.ne.jp/idconsult/e/bdaa03564a4307a3220e3281e5133237


                今年になって、国立感染症研究所の岡部先生が不活化ポリオワクチン個人輸入について

                「あたかも外国製の新車を購入し、ナンバーをとらないまま乗り始めているような状況ともいえる。」

                と発言しています。立場上仕方ないのかもしれませんが、不活化ポリオワクチンの普及および

                生ポリオワクチンの接種率低下をみて内心焦っているのかな、と思います。
                http://sankei.jp.msn.com/life/news/110630/bdy11063003030000-n1.htm




                8.個人輸入のワクチンで不具合があった場合補償はありますか?
                 非常に大切、かつ微妙な問題です。多くの輸入代行業者では、会社独自の補償制度があります。

                しかし、そのためには患者側が医療側に裁判を起こし勝訴する(つまり医療側が負ける)必要があります。

                今の日本の裁判制度を考えると、非常に困難な制度であると言わざるを得ません。

                しかしながら、不活化ポリオワクチンは歴史の長い安全性が確かめられているワクチンです。

                私の知る限り、この制度で保障が出た事例はありません。




                9.日本のワクチンと同時接種してもいいの?


                日本で行われている現行のワクチンと輸入不活化ポリオワクチンは、医学上同時接種しても問題ありません。

                しかし、同時接種をすると上記の業者による補償がなくなります。日本のワクチンには補償制度があり

                同時接種でも補償は行われますが、輸入ワクチンとの同時接種での補償は前例がない為、どうなるかわかりません。



                国による補償のないワクチンのため、同時接種の最終的な判断は残念ながら接種医や保護者に委ねるしかありません。

                当院では、普通に同時接種に応じています。




                10.不活化ポリオワクチンはしばらく自費で行うしかないの?


                日本のワクチンには定期接種(MRやBCGなど)、任意接種(おたふく・水疱瘡など)、

                行政措置予防接種(自治体負担のあるインフルエンザ・ヒブなど、一部の自治体ではおたふくや水疱瘡も)などあります。

                公費負担があるのは定期接種と行政措置予防接種ですが、個人輸入である不活化ポリオワクチンは組み入れることはできません。


                そんな中、世田谷区で動きがありました。不活化ポリオワクチンを世田谷区独自で助成することはできないか?
                Vol.219 ポリオワクチン問題 〜個人輸入のIPVに世田谷区は公費助成できないのだろうか?〜 http://medg.jp/mt/2011/07/vol219-ipv.html
                Vol.226 ポリオワクチン問題 〜個人輸入のIPVに世田谷区って公費助成できないのだろうか? その2〜 http://medg.jp/mt/2011/08/vol226-ipv2.html
                Vol.243 ポリオワクチン問題〜個人輸入のIPVに世田谷区って公費助成できないのだろうか? その3〜 http://medg.jp/mt/2011/08/vol243-ipv3.html


                お一人から始まった活動ですが、区長や区議を巻き込んでいます。この文章がアップされる頃には、決着が付いているでしょうか?

                ただ世田谷区ではヒブワクチン・小児肺炎球菌ワクチンの公費負担は一部であり、またおたふく・水痘ワクチンの公費助成もありません。

                本来はこちらも国レベルで解決すべき課題ではありますが、予算を子ども達の為に費やしてもらいたいです。



                11.どうして日本のポリオワクチン行政はこんなにヘンテコなの?

                これは私にもよくわかりません。被害者救済の視点からワクチン裁判で国の敗訴が続き国はワクチンに対して後ろ向きになりました。
                一部マスコミもワクチン悪者論的な記事が多かったです。またワクチンに関する産官学民の利害関係は複雑で矛盾に満ちています。
                ポリオワクチンのみならず、ワクチン全体について日本は20年ほど遅れていると言われています。

                しかし、言えることは矛盾に見ていながらもワクチンは必要があり、これからも続ける必要があるということです。
                ポリオウイルスが世界の何処かに存在する限り、生であれ不活化であれポリオワクチンを中止したら日本でも流行する可能性は大きいです。
                私たちは粛々と不活化ポリオワクチンを進める必要があります。また全国的にOPVのみならずDPTの接種率も低下しています。
                今後IPV-DPTを見据えての接種差し控えだと思いますが、赤ちゃんの百日咳は命に関わります。DPTは皆さん接種していただきたいです。

                今年も10月から世田谷区で生ポリオワクチン接種があります。

                医師会会員である以上、私は要請があれば生ポリオワクチン接種を行わなければなりません。

                その時までに、多くの人が不活化ポリオワクチンを接種していて、接種会場がガラガラになっていることを切に希望します。
                | shirouiryo | ワクチンについて | 09:00 | - | - | - | - |
                ポリオ生ワクチン問題・第2弾 いつから日本でも『不活化ワクチン』になるの?
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                  5.いつ頃不活化ポリオワクチンができるのか? 随分前から日本でも不活化ポリオワクチンを導入すべきだという声が出ていました。 しかし、国は輸入ではなく国産にこだわりました。詳細は省きますが、日本ポリオ研究所での開発が失敗し、開発が滞っていました。 世論に押される形で、不活化ポリオワクチン(IPV)は現行の三種混合ワクチン(DPT)との組み合わせで世に出る予定です(IPV-DPT)。 公費接種で打てるようになるのは来年度ではないかという声もあるのですが、いろいろな声を総合するとどうやら再来年度になりそうです。 「もやしもん」で不活化ポリオワクチンについて取り上げられたとき、選択肢として「3.もう少し様子を見る」 (つまり、不活化ポリオワクチンも生ポリオワクチンもしない)というのがありましたが、これは冒険行為です。 これからも行政で生ポリオワクチン接種が行われる以上、接種された子どもの便から二次感染が起きる可能性があるのです。 http://setagaya-syouni.cocolog-nifty.com/blog/2011/06/post-1a82.html 調布市で、来年度から不活化ポリオワクチンが始まるというアナウンスがありました。 http://www.city.chofu.tokyo.jp/www/contents/1313569415389/index.html 直接調布市に問い合わせてみたのですが、春・秋のいつ切り替わるか不明だそうです。 このような状況で「平成23年度の秋の接種対象者(平成22年7月1日生〜平成23年6月30日生)へのお知らせを、 予定されていた時期より早く送付させていただきます」というのは一体どうしてなのか、疑問です。 追伸: 9月5日に調布市のサイトを再確認したのですが、表記が変わっていました。 【表題:ポリオ予防接種のワクチンが生ワクチンから不活化ワクチンへと移行予定です(平成24年度中) 本文:現在,生ワクチンを使用して実施しているポリオ予防接種ですが、 平成24年度中に不活化ワクチンを使用した接種へと移行する予定となっています。】 が 【表題:ポリオ予防接種のワクチンが生ワクチンから不活化ワクチンへと移行予定です 本文: 現在,生ワクチンを使用して実施しているポリオ予防接種ですが、 平成24年度中にも不活化ワクチンが認可されるという報道があり、 認可されればすみやかに不活化ワクチンへ移行することを検討しています。】 へと変更になっていました。 6.日本で開発される不活化ポリオワクチンってどういうの? 日本で開発される不活化ポリオワクチン(IPV)は大きく分けて2つあります。 一つは前述のIPV-DPTです。 それから単独のIPV。 IPV-DPTが市場に出る課程で「つなぎ」としてのIPV単独ワクチンが必要なため、急遽開発が要請されました。 事実上輸入ワクチンのサノフィパスツール製のIPV(多くの施設で今使われています)が使われる予定です。 問題は国産のIPV-DPTです。IPVは国際的には毒性の強いウイルス株(ソーク株)を不活化させて(殺して)作ったものです。 しかし日本で開発しているのは、このワクチンと、今生ポリオワクチンで使われている、毒性の弱いウイルス株(セービン株)から作られたワクチンの2つです。 世界で例を見ないセービン株で作られた不活化ポリオワクチンは、どのくらい効力があるのか、現行の不活化ポリオワクチンとどの程度互換性があるのか、分かりません。 7.そもそも日本で輸入物のポリオワクチンをしていいの? 10年以上も前の平成12年に当時の丹羽雄哉厚生大臣が、 「最初の段階ではいわゆる個人輸入という形になると思いますけれども、そういう形で接種することは可能だ」と明言しています。 http://blog.goo.ne.jp/idconsult/e/bdaa03564a4307a3220e3281e5133237 今年になって、国立感染症研究所の岡部先生が不活化ポリオワクチン個人輸入について 「あたかも外国製の新車を購入し、ナンバーをとらないまま乗り始めているような状況ともいえる。」 と発言しています。立場上仕方ないのかもしれませんが、不活化ポリオワクチンの普及および 生ポリオワクチンの接種率低下をみて内心焦っているのかな、と思います。 http://sankei.jp.msn.com/life/news/110630/bdy11063003030000-n1.htm 8.個人輸入のワクチンで不具合があった場合補償はありますか?  非常に大切、かつ微妙な問題です。多くの輸入代行業者では、会社独自の補償制度があります。 しかし、そのためには患者側が医療側に裁判を起こし勝訴する(つまり医療側が負ける)必要があります。 今の日本の裁判制度を考えると、非常に困難な制度であると言わざるを得ません。 しかしながら、不活化ポリオワクチンは歴史の長い安全性が確かめられているワクチンです。 私の知る限り、この制度で保障が出た事例はありません。 9.日本のワクチンと同時接種してもいいの? 日本で行われている現行のワクチンと輸入不活化ポリオワクチンは、医学上同時接種しても問題ありません。 しかし、同時接種をすると上記の業者による補償がなくなります。日本のワクチンには補償制度があり 同時接種でも補償は行われますが、輸入ワクチンとの同時接種での補償は前例がない為、どうなるかわかりません。 国による補償のないワクチンのため、同時接種の最終的な判断は残念ながら接種医や保護者に委ねるしかありません。 当院では、普通に同時接種に応じています。 10.不活化ポリオワクチンはしばらく自費で行うしかないの? 日本のワクチンには定期接種(MRやBCGなど)、任意接種(おたふく・水疱瘡など)、 行政措置予防接種(自治体負担のあるインフルエンザ・ヒブなど、一部の自治体ではおたふくや水疱瘡も)などあります。 公費負担があるのは定期接種と行政措置予防接種ですが、個人輸入である不活化ポリオワクチンは組み入れることはできません。 そんな中、世田谷区で動きがありました。不活化ポリオワクチンを世田谷区独自で助成することはできないか? Vol.219 ポリオワクチン問題 〜個人輸入のIPVに世田谷区は公費助成できないのだろうか?〜 http://medg.jp/mt/2011/07/vol219-ipv.html Vol.226 ポリオワクチン問題 〜個人輸入のIPVに世田谷区って公費助成できないのだろうか? その2〜 http://medg.jp/mt/2011/08/vol226-ipv2.html Vol.243 ポリオワクチン問題〜個人輸入のIPVに世田谷区って公費助成できないのだろうか? その3〜 http://medg.jp/mt/2011/08/vol243-ipv3.html お一人から始まった活動ですが、区長や区議を巻き込んでいます。この文章がアップされる頃には、決着が付いているでしょうか? ただ世田谷区ではヒブワクチン・小児肺炎球菌ワクチンの公費負担は一部であり、またおたふく・水痘ワクチンの公費助成もありません。 本来はこちらも国レベルで解決すべき課題ではありますが、予算を子ども達の為に費やしてもらいたいです。 11.どうして日本のポリオワクチン行政はこんなにヘンテコなの? これは私にもよくわかりません。被害者救済の視点からワクチン裁判で国の敗訴が続き国はワクチンに対して後ろ向きになりました。 一部マスコミもワクチン悪者論的な記事が多かったです。またワクチンに関する産官学民の利害関係は複雑で矛盾に満ちています。 ポリオワクチンのみならず、ワクチン全体について日本は20年ほど遅れていると言われています。 しかし、言えることは矛盾に見ていながらもワクチンは必要があり、これからも続ける必要があるということです。 ポリオウイルスが世界の何処かに存在する限り、生であれ不活化であれポリオワクチンを中止したら日本でも流行する可能性は大きいです。 私たちは粛々と不活化ポリオワクチンを進める必要があります。また全国的にOPVのみならずDPTの接種率も低下しています。 今後IPV-DPTを見据えての接種差し控えだと思いますが、赤ちゃんの百日咳は命に関わります。DPTは皆さん接種していただきたいです。 今年も10月から世田谷区で生ポリオワクチン接種があります。 医師会会員である以上、私は要請があれば生ポリオワクチン接種を行わなければなりません。 その時までに、多くの人が不活化ポリオワクチンを接種していて、接種会場がガラガラになっていることを切に希望します。
                  | shirouiryo | ワクチンについて | 09:00 | - | - | - | - |
                  ポリオについて no.1
                  0

                    (しろうジャーナルNO.36 2011年8月15日配信)

                    ポリオについて no.1

                    かるがもクリニック 院長 宮原篤先生より

                     

                    1. ポリオ

                     

                     ポリオは急性灰白髄炎(きゅうせいかいはくずいえん)とも呼びます。原因はポリオウイルスです。口から入ったウイルスが腸の中で増殖し胃腸炎のような症状になります。ウイルスが脊髄(背骨にある神経の束)の灰白質(運動を司る部位)まで達すると、麻痺が起こります。

                    麻痺の部分は片足が多いですが、他の部位にも出てきます。


                     脊髄の上にまで広がれば呼吸麻痺を起こします。昔の流行では「鉄の肺」呼ばれる機械で呼吸を補っていました。
                    http://www.anesth.hama-med.ac.jp/anedepartment/m-memorial-tetsunohai.asp


                     感染してすべての人に麻痺が起こるわけではありません。

                    ポリオウイルスに感染した人の0.1-1%が麻痺を起こすと言われています。

                    子どもに感染者が多かったため、ポリオは小児麻痺とも呼ばれています。


                     一度麻痺が軽快することがあります。しかし、数十年たってやがて周りの筋肉も衰えることがあります。これをポストポリオ症候群(PPS)と呼びます。ポリオは一度発症すると長い間患者を苦しめます。

                    2.ポリオワクチン


                     紀元前エジプトの壁画にもポリオ患者と思わしき人が描かれており、ポリオは昔から存在していた病気です。しかし、大きな流行となったのは20世紀に入ってからです。


                     医学の進歩と共に、ポリオをワクチンで防ごうという取り組みがアメリカや旧ソ連などで行われてきました。


                     できたのが、生きたポリオウイルスを弱らせることで作った生ポリオワクチン(OPV)と、ウイルスを失活させて(殺して)作った不活化ポリオワクチン(IPV)です。

                    それぞれのワクチンの特徴を挙げてみます。

                    生ポリオワクチン:安い。飲む。3回接種以上必要。麻痺を起こすことがある。

                    便からウイルスが排出される。
                    不活化ポリオワクチン:高い。注射(他国では混合ワクチン)。麻痺を起こさない。

                    便から排出されない。


                     昔、不活化ポリオワクチンで問題になった免疫が低いという問題は、最近はクリアされています。ちなみに、ポリオワクチン開発の歴史には、常に光と影がつきまといます。こちらもご覧ください。

                    31
                    .ワクチンによるウイルス感染症の根絶(4):ポリオ
                    http://www.primate.or.jp/rensai/zakki/20110329.htm

                    3. 生ポリオワクチンの問題点

                    3−1.「先祖返り」による麻痺(VAPP
                     

                    生ポリオワクチンは、腸の中で増殖します。発病しない弱毒株のウイルスなのですが、増殖するときに「先祖帰り」をして強毒株となるのがあります。強毒株で感染し、一部で麻痺を起こすのです。これを、VAPP(Vaccine-associated Paralytic Poliomyelitis)と呼びます。


                     日本で生ポリオワクチンをつくっている日本ポリオ研究所の見解では「頻度は200万人〜300万人分の使用で1人程度」です。

                    しかしWHOの見解では、100万人に24人です。

                    日本の年間出生数が100万強ですので、単純計算で毎年24名以上のポリオワクチンによる麻痺患者が出ることになります。実際の報告数でも裏付けできています。


                     なお、日本を除いて多くの国々では、不活化ポリオワクチンに移行済み(または移行中)のため、VAPP頻度で新しいデータというのは、日本以外にはこれから出てこないでしょう。

                     3−2.生ポリオワクチンを使い続ける限り、ポリオを根絶できない

                     何だか禅問答のようですが、ひとつの事例を上げてみます。

                     2010年の2月に、9ヶ月の男児がポリオで麻痺になったと報じられました。

                    検査の結果、原因はポリオワクチン由来の株でした。

                    問題は、男児はポリオワクチンを(生も不活化も)接種していなかったことです。

                     生ポリオワクチンを接種した後、一ヶ月くらいはおむつを替えるのに気をつけてくださいと言われます。生ポリオワクチンは腸で増殖されて、一ヶ月ほどは便から排出されます。

                    これをワクチン由来ポリオウイルス(Vaccine-derived
                    poliovirus: VDPV)
                    といいます。

                    さらに、環境に流れたウイルスを cVDPV (circulating VDPV)と呼びます。

                     男児はこのcVDPV で麻痺を起こした可能性があるのです。

                    また、昭和50-52年生まれなどでポリオウイルスに免疫がない(少ない)人達の場合「子どものおむつを替えたら麻痺になった」というのはVDPVによるものです。

                     

                    ポリオウイルスに感染して麻痺する可能性は、0.1%-1%と言われています。

                    逆に言えば一人麻痺がいると100-1000人はポリオ感染者がいると考えられます。

                    つまり、VDPVが環境に流れてしてポリオ感染が100-1000人程度の規模で発生(アウトブレイク)していたと考えてもおかしくありません。


                      生ポリオワクチンを飲んで先祖返りして強毒化したポリオウイルスは、飲んだ子どもたちのみならず、周りの人達にも感染する可能性があり、そのワクチンが環境に流れることもあるのです。

                    海外でもVDPVによるポリオ流行が報告されています。

                    「生ポリオワクチンを使い続ける限り、ポリオを根絶できない」とはこういう意味です。

                    4.日本で不活化ポリオワクチンに移行すべき時期はもう過ぎている
                     

                    安くて投与が簡単な生ポリオワクチンは、ポリオ蔓延地域では有効です。

                    日本でも戦後ポリオが流行したときに、ソ連やカナダから生ポリオワクチンを緊急輸入したという歴史があります。

                    日本人は生ポリオワクチンの恩恵を受けてきました。


                     しかし、流行が抑えられた多くの国々では、不活化ポリオワクチンへ移行または移行中です。

                    本来日本でも速やかに移行するべきなのです。

                    次号でも書きますが、早ければ来年度ですがおそらくは再来年以降になるようです。



                    (しろうジャーナルNO.36 2011年8月15日配信) 

                     

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                    ヒブワクチン、小児肺炎球菌ワクチンについて
                    0
                      (しろうジャーナルNO.32 2011年4月15日配信)

                      ヒブワクチン、小児肺炎球菌ワクチンについて
                      小児科医 宮原篤先生より
                       
                      今年の三月に入り、ヒブワクチン(商品名アクトヒブ)や小児肺炎球菌ワクチン(商品名プレベナー)と三種混合ワクチン(DPT)を同時接種後になくなったお子さんの報告が相次ぎました。
                      厚生労働省はヒブワクチン及び小児肺炎球菌ワクチンの接種の一時的見合わせを発表しました。
                      その後会議が二回行われ、基礎疾患のあるお子さんでも原則同時接種も可能になりました。
                      しかしながら、一部のロットのヒブワクチンで異物混入が報道されていますし、まだこれらのワクチンの接種すらためらう保護者もいらっしゃると思います。 その内容も踏まえて、これらのワクチンについてお話しようと思います。
                       
                      1.ワクチンと同時接種について

                      まずは、亡くなった6名のお子様のご冥福をお祈りします。 
                      今回、ワクチンが原因だとすると、二つ原因が考えられます。
                      一つは、アレルギーの一種であるアナフィラキシーの場合。
                      この場合接種してからアレルギーが起こった時間が短いほど症状も激しくなります。
                      一般には長くとも間隔は数時間であり、今回の接種後1−3日経ってから激しいアレルギーを起こすことは考えられません。
                      もう一つは、ワクチンの中に不純物が入っていてそれが不具合を起こした場合です。
                      しかし、同一ロット以外での死亡例がありますので、これも考えにくいです。
                       
                      ここで、日本の乳児死亡の内訳という悲しい数字をご紹介しなければいけません。 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r985200000141koatt/2r985200000145s8.pdf
                      平成21年人口動態調査で、0歳の死亡者総数はそれぞれ2556名で、他の幼児年齢に比べて多いです。お産に関わることで亡くなった方も多いのですが、乳幼児突然死症候群(SIDS)で亡くなった赤ちゃんが145名と決して少なくはありません。
                      単純計算ですが、日本では2-3日に1人SIDSで亡くなる計算になります。そして、SIDS発症年齢はヒブワクチン・小児肺炎球菌ワクチン接種年齢と重なるのです。
                      分母(接種者:ヒブワクチン150万・小児肺炎球菌ワクチン100万)と比べて死亡者がかなり少ないのも、確定的ではありませんがSIDSや他の疾患の紛れ込みを疑います。
                      海外では大規模な調査が行われ、結論を得ています。
                      今回の会議でも同様な結論で、ワクチン自体の接種も同時接種も普通にできるようになりました。
                      厚生労働省も、今回の件でQ&Aを出しています。 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000016yw1.html

                      基礎疾患の項目に「万一重い副反応が生じた際などに、単独接種の方が、どのワクチンの接種後に起こったのかが分かりやすくなることなども考慮されます。」という下りがあります。
                      これは会議では一度も出てこなかったはずです。

                      同時接種に対して抵抗のある人が厚労省内にいて、こういった表現になったようです。
                      しかし「万一食中毒を起こしたときに、単独食材のほうが、どの食材摂取後に起こったのか分かりやすくなる」という理由で、カレーライスを注文したらライスだけ(あるいはジャガイモだけ)出されたというレストランはないはずです。
                       
                      成育医療センター感染症科の齋藤昭彦先生も、基礎疾患のあるお子さんについて「感染すると重症化するので、できるだけ早く同時接種」と明言しています。
                       http://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2011026758SC000/
                      (NHKあさイチ 「どうなってるの子どものワクチン」4月17日まで210円で視聴可能:1時間28分以降です)


                      2.ヒブワクチンの異物混入について

                      二回目の会議の前ですが、3月11日に一部のヒブワクチンで異物混入があり回収されたという報道がありました。同日震災・原発事故というニュースがあり、記憶にない方もいらっしゃると思います。
                      基本的には、死亡との関係はありません。
                      厚生労働省のQ&Aが非常に分かりやすいです。該当するロットは、すでに回収されていますし、接種していたとしても局所刺激だけで、その後の健康に問題のないことは分かっています。 http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/pdf/110404.pdf

                      3.それでも心配な方へ

                      しかしながら、やっぱりこのワクチンは怖いとか、同時接種はやめて欲しい、という意見も時々聞かれます。特に東日本大震災と東京電力原発事故(地名ではなく社名を書きます)の後で、安心・安全に対してみなさん今までよりも気に掛けていらっしゃるのは、肌身に感じます。
                       一度中断するという行為は、すごく重いものです。
                      海外では長年の実績があり、安全性が確認されているにもかかわらず接種を中断するということは、「やっぱりワクチンや同時接種は危ないのではないか」という誤解をうみます。
                      仮の話としてワクチンと死亡の因果関係があったとしても、ワクチンをせずに髄膜炎になって命を落としたり後遺症を残したりするお子さんのほうがずっと多いと予想されます。
                      日本で毎年何100人というお子さんが細菌性髄膜炎にかかり、そのうち1-2割のお子さんが命を落とし,3割のお子さんが重い後遺症で苦しんでいます。
                      (ヒブによる髄膜炎にかかるお子さんが年間約400人、肺炎球菌髄膜炎が年間約140 人)。諸外国では10-20年前に既にこの2つのワクチンが導入され、小児の細菌性髄膜炎が劇的に減りました。
                      日本の全ての小児がこの2つ のワクチンを接種すれば、今まで亡くなってきた年間数10人〜100人前後の命が救われるようになるはずです。
                       「限りなく白に近いが、完全に否定することはできないワクチンの危険性」と、「既にはっきり しているワクチンを打たずに髄膜炎にかかる危険性」の両方を、医療側も保護者も考える必要があります。
                       

                      (しろうジャーナルNO.32 2011年4月15日配信)
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