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食物アレルギー 〜赤ちゃんの長引く湿疹、離乳食、最新の治療法について
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    河北総合病院 小児科科長 藤原摩耶先生(アレルギー専門医) 

     

     

     

    私たちの体には、ウイルスなどの病原体から体を守る「免疫」という力があります。

    食物アレルギーとは、この 「免疫」が本来無害なはずの食べ物に対して

    過敏に反応してしまう状態をいいます。 

     

     

     

    【赤ちゃんの長引く湿疹…食物アレルギーが原因!?】 

     

     

    生後間もなく顔からはじまる湿疹。乳児湿疹は自然に治癒しますが、

    長引く場合、心配で小児科や皮膚科を受診すると、最初は保湿剤を処方されます。

    改善が乏しい場合は、ステロイド外用薬(ぬり薬)もしくはステロイドと保湿剤を混ぜた外用薬が処方されます。

     

     

    食物アレルギーの原因物質は、口からだけではなく、皮膚から体内に入る場合もあります。

    つまり皮膚のバリア機能の低下が、食物アレルギー発症のリスクとなりうるのです。

    小さなわが子に赤ちゃんの時期からステロイド外用薬を使うことに

    ちゅうちょされる親御さんもいらっしゃるかと思いますが、湿疹の状態が悪いほど、

    アレルギーの原因物質が体内に入りやすくなります。

     

     

    乳児期早期に湿疹を十分治療すれば、皮膚から食物アレルギーの原因物質が入り込むことを防ぎ、

    その後の食物アレルギー発症を防ぐ事ができるかもしれません。

     

     

    治りづらい湿疹がすべて食物アレルギーに関係するとは限りませんが、

    外用薬を使用してもよくならない、もしくは薬をやめると悪化することを繰り返す場合は、

    食物アレルギーの可能性も視野に入れ、アレルギー専門の小児科医に相談するのも

    ひとつの選択肢かもしれません。

     

     

     

    【離乳食の進め方】

     

     

    離乳食を始めるときに一番心配なのは、わが子に食物アレルギーがあるかもしれない、

    ということではないでしょう か?

    第一に、発症を100%予防することは不可能と考えてください。

     

    乳児の食物アレルギーは三大アレルゲンである、鶏卵、牛乳、小麦が全体の90%を占めますが、

    豆腐、白身魚などあらゆるものでアレルギー症状が起きる可能性はあります。

     

    離乳食で新しいものを試す時は、何かあったときに医療機関に受診できるよう、

    平日の日中にされることをお勧めします。

     

    食物アレルギーの症状は原因の食物を食べた後、早ければ15分以内、

    遅くとも2時間以内に症状が現れます。

     

    最も現れやすいのは顔面紅潮やじんましんなどの皮膚症状ですが、

    少し遅れて呼吸が苦しくなったり(呼吸器症状)、吐いたり(消化器症状)と、

    多様な症状(アナフィラキシー)が現れることがあります。

     

    ただ、口周囲の発疹のみの場合はアレルギー症状だけでなく、

    塩分やアクなどによるかぶれの可能性もあります。

    特定の食べ物を食べた後、何らかの症状が出ることを繰り返す場合は、

    食物アレルギーと自己判断することは避け、医師に相談してみてください。

     

     

     

    【除去から「少しずつ食べる」へ?最近の治療法について】

     

     

    食物アレルギーを発症した子どもも、8割は成長に伴って原因の食物を食べられるようになります。

     

    しかし強いアレルギー症状が出る子どもは原因食物を含む加工品も制限するような生活を

    長期間強いられていることも少なくありません。

     

    最近、食物アレルギーの治療として話題になっているのが、「経口免疫療法」です。

    従来は原因食物を除去していましたが、経口免疫療法の場合、原因となっている食物を

    連日少しずつ食べて、食べられるようになることを目指します。

     

    例えば卵のアレルギーがあっても、食べても安全と判断できる量を見定めながら

    (時にはボーロなどの加工品を利用しながら)、

    摂取できる量を少しずつ増やして身体を慣らしていくことで、

    将来の目標量(卵であれば1個分)を食べられることを目指す治療です

     

    しかし、まだまだ研究段階の治療法であり、食べ始める時期や量については

    過去の症状の出方や血液検査所見をもとに慎重な判断が必要です。

     

    2歳を過ぎても制限を緩めるめどが立っていない場合は、アレルギー専門医に相談してみるのもよいでしょう。

     

     

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    【食物アレルギーについてのQ&A

     

     

    Q1.「毎日特定の食品を食べ続けると、からだに蓄積されて食物アレルギーになる」

    と聞いたことがあり、気になっています。

     

     

    A1. 花粉症や猫アレルギーなどは、原因となる物質(スギ花粉や猫の毛など)と、

    一定レベルをこえる接触をすると発症します。

     

    しかし、食物アレルギーに関しては、これとは少し異なると考えてください。

    例えば、小さい子にありがちな「納豆ばかり食べる子」が、納豆(大豆)アレルギーになる

    ということはほとんどありません。

     

    食物アレルギーを発症してない場合、こうした幼児期の偏食は、ある程度目をつぶってよいと思いますが、

    栄養のバランスを考えて食事を選びましょう。

     

    また、すでに何らかの食物アレルギーを発症している場合は、慎重な対応をしたほうがよいので、

    専門医と相談してください。

     

     

     

    Q2.「経口免疫療法」で原因の食べ物を毎日食べる治療は、からだに負担が

    かかるように思いますが大丈夫でしょうか?

     

     

    A2.乳幼児の即時型食物アレルギー患者の多くは、身体の発達とともに食べられるようになります。

    でも、それだけではなく【除去から「少しずつ食べる」へ?最近の治療法について】

    に書いたように、アレルギーの原因の食べ物に慣らしていく行程も大切です。

     

    最近話題になっている花粉症の治療で、スギ花粉成分を毎日口に含む「減感作療法」があります。

    これは微量のスギ花粉を含むエキスを毎日口に含み、からだを慣らしていく治療です。

    これと同じに考えるとよいかもしれません。

     

    ただし、どちらの治療も、専門医と相談してから行う治療であることをご理解ください。

     

     

    | shirouiryo | こどもの肌のこと | 12:10 | - | - | - | - |
    『ステロイド』について〜はらこどもクリニック 医院長 原朋邦先生による解説をもとに〜
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      しろうジャーナル 99号  2016年11月15日号配信

      『ステロイド』について

      〜はらこどもクリニック 医院長 原朋邦先生による解説をもとに〜             阿真 京子

       

      今回、お伝えしたいのは、『ステロイド』について。

      予防接種と並んで、さまざまな意見をお持ちの方がいらっしゃるテーマですが、空気が乾燥し肌のトラブルも多くなる

      この時期にぜひ取り上げたいと考えました。

       

      小児科医・原朋邦先生は、「患者さんを診ていて悲しくなる時がある」と話します。

       

      「先日も、ある赤ちゃんが、ほっぺの両側を真っ赤にただれさせた状態で10ヶ月健診にみえました。

       健診なので、患者さんとしてこられたわけではないのですが、頰の状態が気になったので聞くと、生後2ヶ月ごろからよくなったり悪くなったりしているとのこと。アトピー性皮膚炎と診断されたそうですが、治療にはステロイドホルモン含有の軟膏を一切使わず、非ステロイド性の抗炎症剤の軟膏、ゲンタマイシン軟膏、抗ヒスタミン剤の連続投与が行われていることがわかりました」(原医師)

       

      この状態がなぜ問題なのか、原先生はこう話します。

      「まず、生後2ヶ月ごろからアトピー性皮膚炎を発症することは非常に稀であり、このケースは脂漏性湿疹(皮膚炎)と考えられます。脂漏性皮膚炎の場合、マラセチア フルフル(Malassezia furfur)という真菌が因子になっていることもあるため、『抗真菌軟膏』を使用することで短期間に好転することがありますが、この症例ではそのような治療方針もとられておらず、非ステロイド性抗炎症剤が処方されているだけでした

      仮にもし、アトピー性皮膚炎であったなら、ステロイドホルモン含有の軟膏を使うべきでしょう。実は、非ステロイド性抗炎症剤の薬は、抗炎症作用は弱く、おまけにかぶれを作りやすくかえって子供に使うべきではないのです。おそらく、医師かお母さん自身、あるいは双方の『ステロイドは怖い』『ステロイドは使いたくない』という思い込みのもと、このような処方が行われていると考えられます。

      医療の場を頻回nに渡り受診しているようなのにまったく実りを得ておらず、しかも子どもへの使用が懸念される薬の処方が行われている。こうした状況に置かれているお子さん、お母さんは少なくないのです」

       

       会では毎年5回程、子育てに関するメッセ(子育て支援活動をしている団体や行政等が一堂に会し、子育て中のパパママに情報や体験を提供します)に出展し、子どもの病気について書かれたプリントを参加者の方に配っています。その中で、ステロイドを怖がる親御さんとお話する機会が時々、あります。
      『どうして怖いのですか?』とお聞きすると、
      名前の印象、なんとなく・・・、やめられないと聞くから、・・・
      どれも明確な理由はない方ばかりです。


      過去に何か悪いことがあった方には、今の所お会いしたことがありません。根拠はないけれど、なんとなく、イメージが怖そう、そんな回答が多いように感じられます。


      それでも通常の小児科に行けば、必要な場面でステロイドが処方され、きちんと説明していただいて、理解して使用して、良くなり、もう必要ない……という道筋をたどる方がほとんどかと思います。
      しかし、行った病院がたまたま、ステロイドを避ける医療機関(ごくわずかですが存在します……)だったりして、とてもひどい状態になってしまっていることもあります。

       

      原先生はこう続けます。

      「ステロイドを避けたいと考える方は、『使っていると次第に効果がなくなり強いステロイドホルモン剤でなければ効かなくなる』、『皮膚の萎縮などの強い副作用がある』、『やめるとリバウンドがあってかえって悪くなる』といったことを理由にされる方が多く見受けられます。これは一部正しく、一部は誤解のある非常にむずかしい問題です。

       

      まずご存知のとおり、そもそも副作用のない薬はありません。しかしそれをできる限り速やかに少なくする使い方を目指すのも、処方する医師と(用法・用量をきちんと守るという意味で)処方された患者双方の大切な役割であり、『副作用があるから使わない』というのは善ではないのではないでしょうか。

       

      そしてステロイドは、効果が得られないくらい弱いものを長期間処方するよりも、むしろ強めのものでまず短期間に効果を得て、レベルダウンしていくと結果として使用量が少なく済みます。やめるとリバウンドがあるというのは完全なウソではありませんが、だからこそリバウンドの出ないようにレベルダウンしながら使うということがよいでしょう」

       

      ステロイドを怖がって使わなければ、『副作用』というリスクは避けられる代わりに効果も得られず、むしろ二次的なリスクが生じることもある、と原先生。

      「例えば、このときの患者さんなら、ほっぺに強い炎症を起こしたままにしておくことで、皮膚のバリアー機能を失わせて二次的なアレルギーを起こしやすくしていることになってしまいます」(原医師)。


      私は医療者ではないので、メッセのブースでも、いつも当会のメルマガや、きちんとした専門家が書かれたものをご紹介することにしています。
      以前も、
      『ステロイドと文化包丁』のメルマガ

      http://shiroujournal.jugem.jp/?eid=4 )

      をその場で読んでいただいたら、「安心しました!」とおっしゃり、「考えたら、私、なんで悪いのかも知らないのに避けようとしていました」とニコッと話してくださいました。


      調べ抜いて、考え抜いて、その結果、たどり着いた先が、ステロイドを使用しないこと、にあるのならば、その方の考え方ですし、それはそれで良いのかなと思います。
      でも、なんとなくイメージで避けたり、ちゃんと効果も知らないのに避けてしまうことで、間違ったものを引き起こしていたりすることが、あるんですよね。

      ステロイドを避けていたわけでもなくて、ただ単に最も近くにある小児科が、そんな医療機関だった、なんていうこともありました。
      その親御さん、「なんかおかしい、なんか変だと思っていたんです」とお話くださいました。

       

      医療には「うちが正しくて、あとは全部ダメ」ということはありません。

      また「これさえやれば、絶対安心」もないのです。

       

      見分けるのも選ぶのも、むずかしいものですが、妥協せず、焦らずにみていけるといいなと思います。そのためにぜひ、会を利用してください。

      子どもが小さいうちに『迷いつつ、選ぶこと』の練習ができていると、その先に、もっと迷うときにも、きっと助けになるはずと、考えています。

      ちなみに現在、この赤ちゃんは原先生による診察・処方を受け、約2週間でスベスベのお肌になったそうです。よかったですね。(編集 玉木美企子)

       

       

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      | shirouiryo | こどもの肌のこと | 08:28 | - | - | - | - |
      子どもの体の洗い方
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        (しろうジャーナルNO.69 2014年5月15日配信)

        子どもの体の『洗い方』
        多摩ガーデンクリニック小児科 杉原桂院長


        2014年3月31日に長寿番組「笑っていいとも」が終了した。それで思い出したことがある。
        数年前に巷で『タモリ式入浴法』が話題になったことがあった。

        『タモリ式入浴法』とは、お風呂の湯船に10分以上浸かり、身体を石鹸やボディーソープなどで
        洗わないというもの。
        湯船に10分以上浸かることで、老廃物やヨゴレが自然に落ちていくという主張だったと思う。

        タモリ氏は「10分間くらい湯船に浸かると80パーセントの汚れは落ちていく」と話していたが、
        本当だろうか?
        いつか皮膚科学で調べよう調べようと思ってそのままになってしまっていた。おそらく
        『タモリ式入浴法』を知っている人は福山雅治の『湯シャン』についても聞いたことが
        あるのではないか。

        ここでは割愛するが似たような発想と考えてよい。
        実はこうした入浴方法について肯定的な評価をするようになったのは我々小児科医にとって
        最近の話ではない。

        そもそも僕は国立病院機構相模原病院(神奈川県)で、アトピー性皮膚炎の患者を治すために
        皮膚は完全に洗浄すること、という治療を学んできた。
        じっさいに、難治性のアトピーの子どもたちが入院してきており、看護師さんの献身的な洗浄に
        よって次々と良くなっているのも目にしてきたという経験がある。

        そんな私だが、開業して外来をやっていると奇妙な症例にでくわすことが増えてきた。
        大学病院にいたときとは違って、0.3mmの吹き出物を1つ発見した親が、赤ちゃんが
        アトピー性皮膚炎ではないか、と真剣に心配してやってくる。

        それはそうだろう。自分で産むまでは赤ちゃんと関わることもなく成人し、唯一の情報源である
        テレビのCMや赤ちゃん雑誌の広告ベビーの肌はハリウッド女優顔負けの合成映像で、
        きれいでツルツルなのが当たり前だと刷り込まれてしまっているのだから。

        また、こんな場合も少なくない。身体の表面が乾燥してガサガサ。湿疹もところどころ。
        しかし、オムツのなかはスベスベツルツル。湿潤状態が保てる場所は正常なのだ。
        これもアトピー性皮膚炎でしょうか、と心配になっている保護者が多いけれど、こんな時こそ
        石けんやボディーソープの弊害を疑った方がいい。

        ちょっと考えてもらいたい。石けんとは何だろうか。何のために石けんを使うのであろうか。
        石けんとは界面活性剤の一種である。本来なら混じり合わない水と油を混ぜ合わせ、
        汚れを落とすために用いるのである。

        台所を思い出して欲しい。肉や魚をさばいた手は油でベタベタしているはずだ。これはお湯で
        いくら洗っても手のヌルヌル感はなかなかとれるものではない。だから、台所洗剤をつかえば
        水と油が混ざってヌルヌル汚れもすぐおちる。
        しかし、油汚れがないパン皿や、水を飲んだだけのコップにまで台所洗剤は本当に必要だろうか?

        乾燥している赤ちゃんの肌に毎日たっぷりの石けんで、本来は身体に必要なはずの皮脂を
        親自身が落としていること。
        それが湿疹の原因になっている可能性があるのだ。あわてて同じメーカーの乳液などを
        購入して塗布している場合もあるが、同じメーカーに、油を落とす為と追加する為の二重税を
        かけられている様にも見える。

        もちろん、本当の病気が隠れている湿疹もゼロではないけれども、まず薬と思い込むその前に、
        無料だから試してみてほしい。
        乾燥が強い肌に石けんやボディーソープを使いすぎてないだろうか、とふりかえってみることを。


        【当ブログ記事の無断転載は、一切禁じております。
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        お問い合わせ先は
        こちら 
        | shirouiryo | こどもの肌のこと | 08:14 | - | - | - | - |
        赤ちゃんの肌とのつきあい方
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          (しろうジャーナルNO.24 2010年7月15日 配信)

           

          赤ちゃんの肌とのつきあい方

           

          あかちゃんとこどものクリニック 院長 田中秀朋先生

           

          赤ちゃんの肌のトラブルで困ったことはありませんか?

          ブツブツ、カサカサ、かゆみ、赤みは肌のトラブルです。薬を使わずに肌の手入れだけでよくなるものが大半ですが、肌の状態は年齢や季節でどんどん変化します。つるつるすべすべの肌であれば、その子にあった手入れができています。

           

          汚れは洗って、きれいな肌はそのままに赤ちゃんの肌のトラブルの多くは、汚れか洗いすぎによるものです。

           

          生後1〜2ヵ月頃の赤ちゃんの顔のブツブツや夏場の爐△擦〞は汚れが残っているためのトラブルです。

          これらはぬるま湯や石けんで丁寧に洗えばよくなるものが多く、薬をぬってもきれいに洗わなければ治りません。 

          一方、冬に肌がカサカサしてかゆくなるのは、洗いすぎによるものがほとんどです。

          入浴時に指で触って汚れ(脂や垢)を感じない場合は、石けんを使わない方がよい場合もあります。
          洗いすぎた場合は、必ず保湿剤を塗って肌の乾燥を防ぎましょう。風呂あがりに保湿剤を塗る時は、タオルで拭く前に塗りましょう。 

           

          汚れは拭かないで、洗って!

          口の周りが赤かったりガサガサしたりしている場合、ほとんどの保護者が手にハンカチタオルを握っています。よだれを拭いているのです。実は、悪いのは爐茲世〞ではなく、狄,(こする)こと〞なのです。

          母乳や人工乳、食べ物が肌に付いているとトラブルの原因になることがあります。
          食事のあとは口の周りを洗いましょう。濡らした手指で口の周りをぬぐってあげるときれいになります。
          そこをタオルでそっと押さえて水分をとってあげましょう。ゴシゴシ拭くのは禁物です。 

           

          ガーゼで肌を拭く(こする)のはやめましょう。出産直後にガーゼを使って顔や体を拭くように指導されることが多いようですが、生後数週間もすると顔・頭・胸のあたりが脂っこくなってきます。
          脂汚れは、ガーゼで拭いてもきれいになりません。石けんで脂汚れをしっかり洗いましょう。
          この時、ガーゼは使わず指先で洗いましょう。私が自分の顔をガーゼで洗ったら、その後3日間ヒリヒリした痛みが消えませんでした。
          赤ちゃんの肌は大人の肌よりさらにデリケートです。 

          また、おしりにトラブルがある赤ちゃんは、まず市販のおしりふきを止めてみましょう。

          自宅ではシャワーを使ったり、やわらかいティッシュやコットンを水でびしょびしょに濡らしておしりを

          洗ったりしましょう。

          買ってしまったおしりふきは、水が使えないお出かけ時などに活用しましょう。

           

          ■冬と夏の違い

           

          冬は乾燥しやすくカサカサ肌になりやすいので、洗い過ぎに注意します。保湿剤を必要に応じて使います。
          (夏にあせもがひどかった所も、冬にはきれいになることが多いものです)

          夏は汗をかいて首のしわの中や背中などに汚れがたまりやすくなりますから、汚れを洗うことに重点を置きます。
          (冬愛用した保湿剤を塗りすぎると、あせもが悪化することがあります)


          以上「初出:Happy-Note2009年冬号」


           

          ■かゆみ止め、保湿剤、日焼け止め、虫除け薬・・・塗る順番は?

          まずは、肌の状態を整えることが大切です。

          肌をかゆがっているなら、かゆみをとることがまず必要。その上で、保湿剤、日焼け止め、虫除けの順番です。

          日焼け止めは、ドウランを塗っているのではないかという程、塗らないと効果が低いといいます。しっかりと量を使うこと。なるべく低刺激のもので。

          安かろう悪かろうというものも出回っていますので、気をつけてください。お母さんの日焼け止めは高額ですよね?赤ちゃんのは安い物が売っていますが、赤ちゃんの肌のほうがデリケートであることを忘れないでくださいね。
          (高いものがよいものとは限りません。肌に合うか合わないかはその子によって違います。)

          虫除けは一番後に。

          虫が逃げていくことが目的ですから、一番外側に塗るといいでしょう。

           

           

          (しろうジャーナルNO.24 2010年7月15日 配信)

           

          | shirouiryo | こどもの肌のこと | 09:00 | - | - | - | - |
          乾燥肌など『冬場の子どもの肌のケア』
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            (しろうジャーナルNO.16 2009年12月 配信)

             

            〜乾燥肌など『冬場の子どもの肌のケア』〜

            多摩ガーデンクリニック小児科院長 杉原桂先生より


             さあ、冬がやってきました.冬が大好きな人も、苦手な人も寒さ対策をしていく季節です。地域によっても違うのですが、「かかあ天下と空っ風」という言葉があるように関東平野では乾燥しがちな傾向があります。
             子どもの皮膚は成人に比較して薄いので保湿機能はまだまだ未熟.乾燥してしまうと、それだけでもかゆくなって掻き壊してしまうこともあります。
             お子さんの乾燥肌を心配して保湿剤を下さいと外来にいらっしゃるお母さんに入浴方法を尋ねてみると、液体石鹸(ビoレ?)などをガーゼ状のタオルをつかってゴシゴシ体の汚れを落としています!なんて答えがよく返ってきます。

             はて?もともと石鹸って何のためにあるのでしょうか?お母さんが台所でお料理をするとき、お肉や魚にさわると脂が手につきますね.これはお湯で洗ってもおちません。

            だからこそ石鹸を使って脂よごれを落とすのですね.そしてお子さんの汚れって本当にお湯だけでは落ちないものがそんなにあるのでしょうか?もしかして、本当は体に必要な保湿をしてくれる大事なあぶらまで、石鹸で落としてしまってはいませんか?お金を払って石鹸を買って必要なアブラをおとして、またお金を払って保湿剤を購入してアブラをつける、なんてことになってはいないでしょうか?


            こんなことが疑われる時、1週間くらい試しに石鹸はどうしても汚れがおちないところだけにしてみてね、とお願いしています.そうするだけで治ってしまう子どもの何と多いことか!!
             また、最近ではちょっと湿疹ができると「アトピー性皮膚炎ではありませんか!」と飛んでくる保護者の方もいらっしゃいます。「湿疹の原因はアレルギー以外にもたくさんあるのに、どうしてアトピーだと思ったの?」と聞くと「周りのお母さんに言われたから・・・」ということが多いようです。
             東洋医学的には湿疹は病気が内蔵ではなく、表面で処理されたという見方をする場合があります。また、そもそもご自分の体をよーくすみからすみまで見渡して下さい。

            ひとつの湿疹もなくすべすべつるつるの肌の人なんているでしょうか?


             わずかな湿疹がでたからといって、元気でよく食べ、よく眠り、よく遊んで、日常生活に何の影響もなければ、それって本当に病気なんでしょうか?


             アフリカの難民キャンプのクリニックにその湿疹を相談したとしたら何と言われるでしょう??

             もちろん、きちんと対応した方がいい湿疹もあります.湿疹がその子の日常生活をどのくらい妨害しているか、という点を物差しとして考えていただければ良いと思います。

             

            (しろうジャーナルNO.16 2009年12月 配信)

             

             
            | shirouiryo | こどもの肌のこと | 09:00 | - | - | - | - |
            子どもの乾燥肌と保湿剤について
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              (しろうジャーナルNO.16 2009年12月 配信)

               

              子どもの乾燥肌と保湿剤について

              まつしま病院 佐山圭子 先生より

              〈新生児〜3か月くらいまで〉

               生後間もなく〜3か月までの赤ちゃんの肌は、お腹の中でもらったお母さんからのホルモンの影響でベタベタで脂性です。(個人差があり、思春期にニキビがでやすいかどうかと同じですが)脂っぽい汚れは石けんで取りましょう。沐浴指導でガーゼを使うことが多いですけれど、指の腹でよく泡立てた石鹸でマッサージするみたいにあらってあげるのがお勧めです。
              ガーゼはごしごしすると肌にはやさしくおりません。

              私は、3か月くらいまでの赤ちゃんの場合、保湿剤は必要ないと考えています。

              湿疹がひどい赤ちゃんの場合も、まずは石鹸で洗いましょう。
              実は、そのくらいまでの赤ちゃんの肌は、子どもによくある乾燥肌ではなく、思春期のようなベタベタ肌なのです。脂っぽい肌に余計なものを塗ると不潔になったりします。
              (例えば、思春期に大事なことは清潔にするスキンケアではないでしょうか?)それでも良くならないときは清潔にした肌に軟膏を塗ってもらいます。

              まずは非ステロイド系の軟膏を、それでだめならステロイド系を塗るようにします。

              〈3か月〜〉
               
              3か月以降の赤ちゃんの場合も、お肌がすべすべならば、あえて保湿剤を使う必要はないと考えています。
              肌がかさかさしている子どもの場合は、保湿剤を使います。冬場は乾燥が目立つ子が増えますね。
              また、お風呂はぬる目にして、石鹸は使わない方が良いでしょう。
              熱いお湯や石けんは、子どもの肌には少ない大事な皮脂を取ってしまって余計にかさかささせてしまうからです。また、乾燥してかゆがる子の場合、裸だと掻きむしってしまうことがあるので、お風呂を出たら早くふいて、早く保湿剤を塗って、早く服を着せてあげて下さい。

              生後2か月頃までに出る乳児湿疹を「アトピーでは?」と心配する人もいらっしゃいますがアトピーは強い痒みを特徴とする“慢性湿疹”なので、生後1か月〜2か月程度の赤ちゃんで“慢性”というのは、あまり考えられないと思います。

              清潔にしてスキンケアをしてあげ薬もつかっているのに乳児湿疹が治らない、さらにかゆがる仕草がだんだんはっきりしてきたという3〜4か月くらいからアトピーは疑われます。
              その場合は、治療しつつ様子を見ていきましょう。
              アトピーの場合は長い付き合いになることが多いので(もちろん個人差はありますが、月単位でなく年単位くらいに長くなるという意味)お医者様とのコミュニケーションは特に大事だと思います。

              心配の先どりはあまりしない方がいいですよ。
              多くの乳児湿疹は清潔にするか軽い治療でよくなっていくことが多いですから。

               

              (しろうジャーナルNO.16 2009年12月 配信)

               

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              ステロイドと文化包丁
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                (しろうジャーナルNO.6 2009年2月15日配信)

                「ステロイドと文化包丁」
                多摩ガーデンクリニック小児科 杉原 桂先生 


                「ステロイド」ときいて、あなたは何を思い浮かべますか?
                なんか、こわいな〜なんて気持ち、どっかに感じませんか?
                そうです.薬には例外なく副作用があるのが事実です.

                ちょっと薬の辞典を開いてステロイドの重大な副作用は何か、しらべてみましょう。
                「感染症の悪化、誘発や症状を隠蔽 副腎皮質機能不全 糖尿病の誘発、悪化、血糖上昇 消化管潰瘍・・・・」まだまだリストは続きますがこのへんにしておきましょう。
                私も怖くなってきました(^_^;)
                そもそもステロイドって何なんでしょう。
                実はこのステロイドは皆さんの腎臓の上にちょこんと乗った副腎と呼ばれる臓器で創られているホルモンに他なりません。
                このホルモンには大切な仕事があって、抗炎症作用や抗アレルギー作用、免疫抑制作用など、人体に必要な作業を行うために必要不可欠なホルモンでもあるのです。
                な〜んだ、自分の身体の中でも毎日仕事をしてくれている生体で創られる成分を合成したものだったのですね。

                 もうひとつ、考えておく必要があるのは同じステロイドでもいろいろな薬の投与方法があるということです。
                あなたが考えていたのは注射の薬ですか、カプセルのような飲み薬ですか、それとも塗り薬ですか?
                もしかすると、パウダーのような吸入薬かもしれませんね。
                九州大学皮膚科のHPから情報をもらってきました。(一部改変)

                ******************
                 注射や飲み薬は全身に作用するため全身性の副作用がでますが、塗り薬は皮膚の患部に直接作用するため、皮膚から吸収されても血中に入る量はごくわずかです。通常の使用量は全身性の副作用はでません。
                塗り薬による副作用の多くは、塗った場所のみです。
                皮膚に対する副作用はステロイドの副作用のなかでも軽い副作用に分類され、「薬の塗布部分で毛が増える」、「皮膚が赤くなる」、「毛細血管が拡張する」、「皮膚がややうすくなる」などがあります。
                「ステロイド外用薬を塗ると肌が黒くなる」という人もいますが、ステロイドは皮膚の色素産生を抑えるため、肌の色はむしろ白くなります。アトピー性皮膚炎は皮膚の炎症ですから、ちょうど日焼けの炎症が治ると色素沈着が起こるように、アトピー性皮膚炎も炎症がおさまった後は色素沈着が起こります。
                これがステロイドの副作用と誤解されているようです。
                *************引用終わり**

                 では、吸入の薬はどうでしょう。
                吸入ステロイド薬は肺や気管支から体内への吸収が少なく全身的な副作用がほとんどないという利点があります。
                ただ、超大量の吸入ステロイド薬を長期間用いると0.9cm程度の成長障害をきたす報告がありますが、薬をやめれば身
                長の伸びはほぼ正常化することがわかっています。
                またのどがイガイガしたり、声がかすれるなどの副作用がありますが、これらは吸入補助具の使用や吸入後のうがいなどで減らすことが出来ます。

                 なんだか、漠然としていた不安に形が与えられてきたようです。
                目にみえるようになるともやもやしていた不安もすっきりしてきたような気がします。

                 では、どうして皆さんの不安はうまれたのでしょう.確かに愚かな医師がガイドラインにも従わずに乱用するという場合もあるでしょう。
                実際に強いレベルのステロイドを漠然と13年間顔に使っていて裁判で争われた例があります。
                また、昨今の健康食品会社や一部マスコミの煽りの影響もあるでしょう。
                「ステロイドは怖いですよ〜うちの製品は自然ですから安全ですよ〜」といった人の不安につけこんで粗悪品を数万円、数十万円で販売している商法はあとをたちません。
                (参照:http://www.kokusen.go.jp/test/data/s_test/n-20080716_3.html)

                 私は「ステロイドは包丁である」と考えています。
                包丁は危険でしょうか?
                確かにおかしな人がふりまわしたら、これは危ない。
                じゃあ、どうして包丁は発売禁止にならないのでしょう。
                どうして皆さんもそんな危険なものを家においておくのでしょうか。
                みなさんも一度は包丁を使っていて指を切るという副作用を経験したことはありませんか?
                たぶん、この副作用は発症率ほぼ100%だと思うのですが・・・

                 そうです。
                道具に問題があるのではありません。
                それを使う人間が間違った使い方をして問題をおこすのです。
                包丁も、ステロイドも同じ道具です正しく使えばこんなに安全で便利なものはありません。
                いたずらに包丁をおそれることがないようにステロイドという薬を信頼できる医師の指導に従って約束通り使用すればきっとあなたのために役立ってくれる道具としてその真価を発揮してくれることでしょう。

                参考文献:九州大学皮膚科ホームページ
                http://www.kyudai-derm.org/part/atopy/index.html
                **********************


                (しろうジャーナルNO.6 2009年2月15日配信)
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