しろうジャーナル 掲載記事ブログ

麻しん(はしか)が流行しています
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    (2016年9月15日発行の記事を改変の上、再掲)

     

    かるがもクリニック 院長 宮原篤先生

     

    【麻しんの対策はワクチン】

    麻しんが流行しています。麻しんは空気感染で同じ空間にいただけでも感染します。

    今後何処で麻しんに感染するか分からない状況になると思います。

    対策は麻しんワクチン(MRワクチン)です。

     

     

    【いつ接種する?】

    定期接種において麻しんワクチン(MRワクチン)は1歳から接種できますが、

    0歳でも自費になりますがワクチン接種は可能です。

     

    通常は母親からの移行免疫が無くなる生後6ヶ月から接種しますが、

    母親が妊娠中の検査で麻しん抗体が少なかった場合、早めに接種したほうがいいでしょう(母親も)。

    母子手帳などでご確認をしてください。

     

    流行していて感染のリスクがある場合には、生後6ヶ月から麻しんワクチンは接種可能です。

     

    接種後14日程度で抗体価が感染防止レベルまで上がると言われていますが、

    ワクチン未接種で麻しん患者と接触した場合も72時間以内であればワクチンが有効な時があります。

     

    その後でも接触後6日以内であればグロブリン製剤(血液製剤)で症状の緩和が期待できます。

     

     

    【1歳になったら再接種を】

    0歳児で麻しんワクチン(MRワクチン)を接種して副反応が特に強くなるということはないとされています。

     

    0歳児で接種しても免疫が減弱しやすいことが知られています。ですので、

    1歳になったら速やかに定期接種のMRワクチンを接種して下さい

    (前回の麻しんワクチンから27日は間隔をあけて下さい)。

     

     

    【副作用についての考え方】

    麻しん含有ワクチンの副反応で最も多いのが発熱・発疹です。接種後7〜10日ほどで起こります。

    1日か長くても2日で下がります。

    他にも副反応が列挙されることがありますが、ほとんどが「紛れ込み」です。

     

    脳炎脳症は100〜150万人接種に1人以下、

    急性血小板減少性紫斑病は100万人接種に1人程度と言われています。

     

    年間100万人ほど出生する日本で、ほぼ同人数接種するMRワクチン(1期・2期だと200万人)

    接種者の1〜2人が何かしらの重篤な症状を起こした場合、

    ワクチンの副反応と100%断定することも100%否定することも困難です。

     

    日本にはワクチンの救済制度というものがあります。

    しかし、任意接種と定期接種で金額が違いますし、

    個人輸入のワクチンには原則ないものだと思ってください。

    私はそのリスクがあってもワクチンは接種すべきだと思います。

     

    ※参考:万が一の健康被害が起こったら?:KNOW VPDの会

     

     

    【一歳未満での接種にこだわる理由】

    どうして私がここまで0歳時での接種に言及するかというと、0

    歳時での麻しん感染は重症化しやすく、死亡率も高いからです。

     

    また、麻しん感染して数年後に発症する亜急性硬化性全脳炎(SSPE

    0歳児での感染が多いのです(致死性)。

     

    以前6ヶ月未満の赤ちゃんが麻しんに罹り、程なくして母親が麻しんに罹った事がありました。

    赤ちゃんへの移行免疫がなければ、母親が罹るのが当然ですよね。

     

    個人的な話をすれば、私は0歳の時に麻しんにかかりました。

    お友達の親が予防接種をしない方針で、そのために私は感染したのです。

    痙攣して生死をさまよったと聞いています。

     

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    ※参考:はしか(麻しん)ってなあに?

    こちらにも詳しくまとめられています。沖縄は麻しんが多いのです・・・

    沖縄県小児保健協会

     

     

     

    | shirouiryo | 感染症 | 14:36 | - | - | - | - |
    水ぼうそう (水痘)についてのQ&A
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      新潟市・さとう小児科医院 佐藤雅久

       

      Q1 :生後5か月で水ぼうそう(水痘)になりましたが、また罹ってしまいました。

      水痘は一回なったら免疫ができて、もう二度と罹らないと聞いていたのに、なぜでしょうか?

       

      A1 : 5か月で水痘に罹ったが、抗体がつかなかったというお子さんについてですが、

      これは、年齢を考えると、免疫力が未熟であると言うことが問題のようです。

       

      免疫には大きく分けて、 「獲得免疫」と「自然免疫」の2種類があります。

       

      「獲得免疫」とは、体外から入ってきたウイルスなどにピンポイントで攻撃する免疫です。

      いわゆる「抗体がある」と言うのは、獲得免疫があるということです。

       

      「自然免疫」というのは、細菌やウイルスのような、本来、体内にない物質(異物と言います)

      が入って来たときに反応して攻撃する免疫です。

      これは、ピンポイントで攻撃するのではなく、体に入ってきた「異物」をいち早く認識して、

      それを排除しようと働きます。

       

      この2種類の免疫の働きで、体を守っているのです。

       

      新生児・乳児は、自然免疫が未熟です。

      また、麻しん、水痘などのウイルス疾患に接する事 は少ないので、

      獲得免疫は少ないはずですが、母親から胎盤や母乳を通して移行した

      免疫物質(獲得免疫である移行抗体)等があり、感染を防いでいます。

       

      この移行抗体は、生後直後から徐々に少なくなり、生後6か月位までしか残っていません。

      このお子さんは5か月で水痘にかかったとのことですが、これは、自然免疫は未熟で、

      移行抗体も少なくなっている時期に当たります。

       

      また、麻疹(ましん)、風疹(ふうしん)等、多くのウイルス疾患は、

      1回感染すると、「抗体」という免疫物質(これも獲得免疫)ができて、

      その後は感染しても発病しないと考えられています。

      1. もちろんRSウイルスのように、感染しても免疫が出来なくて、

      何回も罹るウイルス疾患もありますが、多くは抗体ができます。

      その効果は一生続くと考えられています。

       

      しかし、残念ながら水痘を2度発病する方はいます。このほとんどは、

      生後6か月以内に発症した乳児です。

      その理由は「免疫が未熟だ」と言ってしまえば簡単ですが、正確には分かっていません。

       

      現在分かっていることは…

      1.お母さんからの移行抗体が減少してきた時期である。

      2.水痘に対する防御には、獲得免疫(抗体)も大切ですが、
      自然免疫も重要であり、このケースのように5か月の乳児では、まだその自然免疫も未熟だった。

       

      水痘を発症した乳幼児に、抗体がないからといって、

      その後ワクチン接種をする必要があるかどうかは、議論のあることころですが、

      接種しておけば、水痘や水痘発症後に生じる帯状庖疹の発症防止に役立つと思います。

       

      親御さんはびっくりしたでしょうが、乳幼児は免疫機構が完璧ではないため、

      再感染ということも起こり得るのです。

       

       

      Q2 :水痘の予防接種後、熱が出てしまいました。なぜこんなことが起こるのでしょうか?

       

      A2 :ワクチン接種で、発熱してしまったお子さんへのご心配はもっともなことです。

       

      ワクチンは病気を防ぐために必要なもので、大きく分けて2種類あります。

       

      弱毒化して発症能力を少なくした細菌やウイルスを接種する「生ワクチン」と、

      それらの構成成分のうち、感染防御に有効で、

      人体に安全な物を取り出して作った「不活化ワクチン」です。

       

      生体にとってはどちらも「異物」です。異物であれば、接種部位には自然免疫物質が攻撃して、

      注射部位の腫れや発赤(赤くなること)、痛みを生じます。

      また、全身の免疫反応として発熱などが生じることもあります。

       

      ワクチンは、種々の研究、実験、改良等を経て販売され、

      副反応ができるだけ少なくなるように作られていますが、「異物」ですので、

      正常な免疫反応が起こり、副反応が生じるのはある程度避けられません。

       

      「異物」と言うと、ワクチンは体に悪いと感じる方もいると思いますが、

      食物、薬等も「異物」です。我々が生きていくのに必要で、摂取する物はほとんどの物が

      免疫から考えれば「異物」なのです。ですから、「異物=悪い物」と考えるのは間違いです。

       

      ワクチンは、病気を防ぐのに重要な役割を果たしてきました。

      麻疹、天然痘、ポリオなど過去には重大な病気を発症させ、不幸な結果をもたらした病気が、

      現在少なくなっているのもワクチンのおかげです。

       

      また、副反応といわれている発熱などは、たまたま風邪を引いていて生じる「紛れ混み」もあれば、

      ワクチンに添加されている物質によることもあります。

      いずれも一時的なものですので、全身状態がよければ、解熱側などで経過観察するだけで良いと思います。

      ご心配は無用です。ワクチンはできるだけ接種されることをお勧めします。

       

       

      Q3 :そもそも、なぜ水痘のワクチン接種が必要なのですか?

       

      A3:水痘、風疹などのウイルス感染症の多くは、麻疹を除けば、概ね良好な経過をたどり治癒します。

      しかし、いろいろな合併症があり、決して軽い病気ではありません。

       

      水痘に限れば、 水疱部からの細菌感染で、とびひ、皮下組織に化膿叢(蜂窩

      ( ほうか ) 織炎 ( しきえん ) :皮膚の下における、細菌による化膿性炎症)、

      全身への細菌感染症(敗血症)、筋肉の激しい炎症(筋肉壊死)、肺炎などを生じることもあります。

       

      また、約4000人に1人が小脳の失調(体や言葉がうまく動かせない、話せないなど)、

      約33000人に1人が脳炎などの中枢神経の重篤な合併症を生じると言われています。

       

      さらに、青年期以後の水痘は、 合併症が無くとも、重症になり肺炎の合併が多くなります。

      また、水痘ウイルスは、体内の神経に生涯居残り、疲労や病気、高齢化などで、

      免疫力が低下したときに、帯状萢疹として再活性化することがあります。

      帯状疱疹は、苦痛を伴うことで有名です。

       

      このように、水痘は、脳炎や肺炎、皮膚の重い細菌感染症など多くの合併症が知られ、

      平成22年の国立感染症研究所の報告では、年間約70万人が罹患し、

      4,000名が合併症で入院、約20名が死亡しています。

       

      2014年10月の定期接種化によって、定期接種対象年齢を中心に患者数が減少し、

      現在、患者数は過去最低レベルで推移しています。

       

      下記のグラフは、国立感染症情報センターからの報告されたものです。

      全国で約3000の登録された、小児科診療所・病院小児科(定点と言います)からの水痘報告数を示しています。

       

       

       

      小さな図で、分かりにくいと思いますが、

      2015年以降の水痘の発生数が、それ以前より、著明に減少しているのが分かります。

       

      定点診療所・病院小児科から、2014年以前は、1週あたり、1〜3人の発生が報告されていましたが、

      2015年以降は0.5人になっています。

       

      実際の発生数は、この10倍位であろうと言われていますので、

      年間30万人から90万人が発生していた水痘の人が、ワクチンの2回定期接種が開始されてから、

      10万人以下になっていることを示しています。実際は、もっと減少していると思います。

       

      私の診療所でも、水痘の受診者は激減しています。

      また、この3年間の水痘罹患者は、ワクチン接種の機会がなかった成人に多くなっています。

       

      2014年9月〜2015年4月までの、水痘合併症による入院者も231人に減少しています。

      入院された人の多くは成人患者さんです。

       

      定期接種対象にならなかった年長児や大人の場合、感染で重症化する恐れがあります。

      水痘に罹っていない場合、自己負担になりますが、ワクチンの2回接種をお勧めします。

       

       

      201705

       

      ※原稿内のグラフは、国立感染症研究所HPより単位のみ追加。

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      手洗いについて
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                                                                                           小児科医 早川依里子

         

        ■はじめに

        冬のインフルエンザ流行期となり、まるで、そこここに『ママ』がいるかのように

        日本中が「手洗い、咳エチケット」を連発しています。

        物心ついた時から手洗いが習慣づいている皆さんには、耳にタコかと存じますが、

        今日は感染症を防ぐためのより効果的な手洗いのお話をさせていただきます。

         

        (なお厚生労働省ではかわいい『マメゾウくん』と『アズキちゃん』が、

        「マメにマスク」「マメに手洗い」を推奨しています。)

        http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/keihatu.html

         

         

        ■手洗いの歴史

        これはとても古く、紀元前ヒポクラテスの時代に「創(そう※傷のこと)は煮沸した水で洗い、

        創処理するときには手と爪をきれいにする」という記載があります。

        水の確保がかなり限られた時代に、すでに手洗いのポイントを押さえた記述がなされた

        というのはまさに偉大なる古人の知恵ですね。

         

         

        ■世界手洗いの日

        さて皆さんは『世界手洗いの日(1015日)』をご存知ですか?

        http://www.unicef.or.jp/news/2016/0241.html

         

        水道やトイレなどの衛生環境が整備されていない国々では、

        肺炎や下痢で毎日多くの子どもたちが命を落としています。

        しかし石鹸を使って適切な手洗いをすることで、多くの命を守ることができます。

        そのため手洗いを広めようと2008年に『世界手洗いの日Global Hand washing Day』が制定されました。

         

        日常的手洗いは『せっけんによる手洗い』が基本となります。

        手を洗う前に『時計や指輪を外す』、『爪は短く切る』ことが、洗い残しをなくすために望まれます。

         

         

        ■手洗いの手順

        [水で軽く洗う

        ⊆蠅せっけんをつける

        十分に泡立てる

        ぜ蠅里劼蕁∋悗諒¬漫⊆蠅旅叩∋悗稜愡悗隆屬筝圈⊃道悗良佞浦まで洗う

        セ慇茲鮴う

        手首を洗う

        流水でよくすすぐ

        ┘據璽僉璽織ルで拭いて乾燥させる

         

        こちらのサイトではユニセフの『手洗いダンス』の動画をご覧になれます。

        http://www.unicef.or.jp/news/2016/0241.html

         

        『十分に泡立てる』ことはとても重要で、洗顔の基本と一緒で、

        過度のこすり洗いはよくありません。

        ご自宅では日常的にペーパータオル使用は難しいと思いますが、

        何らかの感染症にかかっているご家族がいる場合、タオルなどは共有しないようにしてください。

         

         

        ■手洗いのタイミング

        『帰宅後』、『ごみなどの汚れ物を触った後』、

        『食品を取り扱う前』、『トレイの後』を基本とします。

         

         

        ■忘れてはならないのが…

        『スキンケア』です。皮膚の防御機構を最大限に発揮するためにも

        潤いのある皮膚は欠かせません。保湿に必要な皮脂を補い、

        傷や汚れがつきにくくするために、保湿剤でのケアをこまめに行ってください。

         

         

        ■マスクについて

        人にうつすのを防ぐための『咳エチケット』が重視されていると思いますが、

        『保温と保湿』がなされた空気を吸い込むことにより、のどの潤いを保つことが、

        気道粘膜の防御機能に役立ち、ウイルスなどが付着しにくくしてくれます。

         

         

        ■最後に…

        「あれ?うがいは?」との声が聞こえそうなので、追加します。

        残念ながら、ウイルスが付着し20分以上経過すると、

        細胞内に入り増殖を始めるといわれており、

        感染予防という意味ではウイルス暴露直後でないと効果は望めません。

         

        そのため、最近はうがいを声高に言わなくなったようです。

        ただ『水によるうがい』は粘液分泌や血行が促進され、防御能力を高めるという意味で効果が期待できます。

         

        以上のように、一番大切なのは防御機能を最大限に発揮するために、

        自ら身体をいたわってケアしてあげることです。

         

        それでは皆様、『手洗い、マスク、スキンケア』でこの時期を乗り切りましょう。

         


         

        | shirouiryo | 感染症 | 07:00 | - | - | - | - |
        耐性菌をつくらない・広めないために個人で出来る努力
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          (しろうジャーナルvol.98  2016年10月15日配信)

           

          国立国際医療研究センター 国際感染症センター/国際診療部 堀成美


          私達は様々な微生物とともに生きていますが、中には深刻な病気の原因になるものがあり

          昔から多くの人、特に子どもの命を奪ってきました。

          対策を何もしないで放置=自然に任せていたら、今でもたくさんの人の健康や命が危うくなります。
           

          医療はこの自然現象に立ち向かう人類の努力なわけですが、それも万能ではありません。

          予防のためのワクチンはごく限られたものしか作れませんし、

          抗菌薬や抗ウイルス薬もすべてをカバーできるわけではありません。


          抗菌薬は開発されても、ヒトや動物に使われる中で「薬が効きにくくなる」ことが知られています。

          これは運命です。そして薬に抵抗力をもった菌があちこちに広がっていくと、

          あっという間にその薬は「使えない薬」になります。

          治療ができない未来は、かなり現実的な問題となっています。新しい薬の開発が進んでいないからです。
           

          実はこの問題は以前から分かっていたのですが、

          最近になって各国のリーダーが集まる国際会議でも

          「このまま放っておいたらたいへんなことになる」ことが確認されました。

          「なんとかしなくちゃ!」となったのですが、残念ながら国にできることはあまりありません。

          http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000120172.html

           

          薬を出すのは医師ですし、それを受け取って飲むのは患者。

          ここで「ルール」を守らないと治療の選択肢のない未来が迫ってくるわけです。

          その「ルール」を紹介します。
           

          1)必要な時にしか抗菌薬は「もらわない」
          寒い時期に「ウイルス」が原因の風邪が流行します。この時には抗「菌」薬は原則として不要です。★1

           

          ★1 ウイルスに菌の薬は効きませんから、飲む人には副作用しかありません。

          医師が不要と判断したときに、「でも念のため欲しいんです」とおねだりするのはやめましょう。
           

          2)必要があって出された薬は全部「飲み切る」
          症状がよくなると「もういいかな?」と自己判断でやめてしまう人がいます。

          これはまずい。さらに、「いつか使えるかもしれない」と引き出しにしまう。これはもっとまずいです。

           

          また、体調が悪い人に「あげようか?」と勝手に渡してしまう人が時々います。これは大変危険です。


          抗菌薬にはいろいろな種類があり、医師は選択をして処方をしています。「感染症だから●●」ではありません。

           

          コロッケにはソース、お刺身にはしょうゆ、フライドポテトにはケチャップといった感じで、

          適切な組み合わせがあります。自分と似たような症状だったからと、薬をあげることは、絶対にしないでください。

          一番良いのは感染症にならないこと、病院にいくほどの体調不良にならないことです。

          ワクチン、手洗い、早めの休養、体調不良の人へのいたわりを大切にしたいですね。★2

          ★2 元々病気があるなど、事情がある人では異なる判断もあります。

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          | shirouiryo | 感染症 | 07:00 | - | - | - | - |
          RSウイルス感染症について
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                                                                   朝霞台中央総合中央病院小児科 小林真澄
             
            RSウイルス感染症』とは、RSウイルスを病原体とする、乳幼児に多い呼吸器感染症です。
            毎年秋頃から増え始め、年末をピークに春まで流行が続くことがあります。昨年末はかなりの流行でした。
             
            このウイルスは、最も一般的な呼吸器感染症のウイルスで、1歳までに50%以上、
            2歳までにほぼ
            100%がかかるといわれています。
             
            初めての感染では20~30%で、気管支炎、肺炎、細気管支炎などを起こし、重症になることもあります。
             
            その後も繰り返しかかりますが、いわゆる『かぜ症状』で経過します。
            お兄ちゃんがかぜをひいていたら、赤ちゃんが細気管支炎になってしまった、というのもよくあるケースです。

             
            <潜伏期>
            ■2〜8日  典型的には4〜6日とされています
             
            <症状>
            ■一般的なかぜ症状、発熱、鼻汁、咳などから始まります。

            ■ここから気管支、肺などに炎症が及ぶと気管支炎、肺炎などになります。

            ■細気管支炎は乳幼児期の特徴で、咳、ぜーぜーした喘鳴、呼吸困難などがおきて、
            入院が必要になることもしばしばあります。
            特に1ヵ月未満の赤ちゃんがかかると、無呼吸になってしまうこともあります。

             
            <検査>
            ■ウイルスを直接調べたり、血液の抗体を調べる方法もありますが、普通医療機関で調べる時は、
            インフルエンザのように鼻に綿棒を入れてウイルスの抗原というものを調べる迅速診断が用いられます。


            ■ただし、検査に保険が使えるのは、入院した場合。
            外来では、1歳未満の乳児、心臓や肺などに生まれつき病気があり、
            パリビズマブ(シナジス)の予防薬を受けている人に限られているので、それ以外は自費になります。

             

            <治療>
            RSウイルスに直接効く薬はありません。もちろんウイルスですから抗菌剤(抗生物質)
            は効きません。

            ■脱水などにならないように水分を十分摂り、痰をだしやすくする薬を使ったりしますが、
            症状の程度によって、点滴による補液が必要になったり、酸素投与などを行ったり、
            場合によっては短期の人工呼吸器が必要になることもあります。


            ■通常は3〜4日で軽快に向かいます。

            ■ただし、RSウイルスに感染すると、その後喘鳴を繰り返すようになることがよくあり、
            喘息の時に用いる、ある種の抗アレルギー剤を処方することもあります。

             
            <予防>
            ■感染は患者さんの咳やくしゃみなどによる飛まつ感染と、ウイルスがついた手や、
            物などを介した接触感染ですから、予防としては、マスクや手洗いといった一般的なことになります。

             
            ■35週以下で生まれた早産児、心臓や肺に病気がある場合、
            免疫不全などの赤ちゃんには
            RSウイルスに対する抗体(パリビズマブ)を投与する予防法がとられています。
            出産した産科や小児科で予め説明されると思いますが、きちんと受けて下さい。

             
            ■最近、肺に病気のある高齢者がこのRSウイルスに感染すると、肺炎を起こすことが
            明らかになりました。お子さんがかぜをひいている時、高齢者と接触する時は注意しましょう。
             
            誰もが一度は、いえ、最もかかる『かぜ』ですが、かかる年齢や状況によっては重症になってしまう、
            ちょっとやっかいな感染症です。

             
            お子さんの状態をよく見て、特に乳児期に喘鳴や呼吸が苦しそう、
            母乳やミルクなどが飲めないなど症状が悪化する時は、早めに判断して受診するようにしましょう。



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            | shirouiryo | 感染症 | 07:00 | - | - | - | - |
            夏に多い感染症〜特に水遊びの時に注意したいもの〜
            0
              夏に多い感染症〜特に水遊びの時に注意したいもの〜
              (しろうジャーナル NO.82 6月15日配信)
               
              竜美ヶ丘小児科・院長 鈴木研史先生
               
               間もなく夏がやってきます。夏とはいえばプールや海水浴、川遊びなど楽しい水遊びの季節です。夏の水遊びでまず注意すべきは事故や熱中症ですが、感染症にも気をつけてほしいものです。そこで今回は、水遊びにまつわる感染症についてお話しします。
               
               夏に流行する感染症としては、手足口病ヘルパンギーナなどがあります。発熱と喉の痛み、手足口病は加えて手足やお尻に水疱を伴った発疹がみられる特徴的な病気です。これらはエンテロウイルスが原因で、オムツ替えのときなどに便が手について感染するような接触感染、または咳などで感染する飛沫感染です。夏に多い感染症ですが、水から感染する病気ではありません
               
               また、熱が長く続き咽が真っ赤になって痛みが強く、目の充血を伴う咽頭結膜熱も夏に流行します。この病気の原因はアデノウイルスです。感染力は強く、咳などを介して感染する飛沫感染ですが、便にも出てきます。以前は『プール熱』と呼ばれていましたが、プールの塩素消毒が基準通り管理されていれば、このウイルスは不活化されることからも、最近は『プール熱』とはあまり呼ばれなくなりました。プールでは、結膜炎の予防のためにタオルを一緒に使わないようにしましょう
               
               さらに、プールが始まる頃になると問題になる感染症があります。水いぼ(伝染性軟属腫)です。以前と比べると少なくなりましたが、水いぼのあるお子さんの保護者は時々「水いぼがありますがプールに入れますか?」と相談に来られます。水いぼの原因のポックスウイルスは水を介して感染するのではなく、直接接触して感染するため、タオルやビート板などを一緒に使わないようにするなどに気をつければ、プールを禁止する必要はありません
               
               プールを避けたほうがよい皮膚の感染症の代表としてはとびひ(伝染性膿痂疹)があります。原因のブドウ球菌は、基準塩素濃度により短時間で死滅することがわかっていますが、感染力が強く、ちょっとした接触でも感染してしまいます。このため、とびひの場合はプールは病気が治るまでは入らないでください。
               
               耳の病気である外耳道炎(耳の入り口から鼓膜までの道の炎症)は、プールの水が引き起こすことがあります。これは、ブドウ球菌やカビなどが原因です。耳に水が入ってくることで外耳道の皮膚が柔らかくなり、細菌が侵入しやすくなります。
               
              また、水遊び後に、必要以上に綿棒で水分除去を行うと、皮膚を守っているものを取り去ってしまいバイ菌が増えやすい環境をつくってしまうため、注意が必要です。
               
               プールの水は、下痢や便失禁、身体についた便の残りなどで汚染されてしまいます。これも塩素化による消毒で多くの病原体は死んでしまいます。
              しかし、いくつかの細菌、ウイルスなどは抵抗力があり、適切に塩素化されたプールでも長時間生存可能です。その病原体は、クリプトスポリジウムという寄生虫です。便の中に出てきて、それが口に入って感染してしまうと、約10日間下痢が続きます。日本ではあまり聞きなれない名前ですが、アメリカではプールを介した感染症の代表的な原因です。日本でもこの病気に感染した人がプールを使ったため、プールの水が汚染され、そのプールを利用していたたくさんの人に感染してしまったことがあります。
               
              これ以外には、ニュースでもよく出てくるノロウイルスです。ノロウイルスの消毒には次亜塩素酸が使われますが、プールの適切な塩素濃度でも30〜60分生きられます。簡易プールや家庭用プールなど消毒が行われていない場合は、水質基準の決められたプールでは死んでしまう病原体も生きています。このため、塩素の入っている水道水を使い、毎回水を入れ替えるなどの注意が必要です。
               
               以上のことからもわかる通り、みんなが楽しく水遊びができるよう、下痢などの体調の悪いときは、しっかり治るまでプールに入らないようにしてください。
               
              また、プールの水を飲まない、プールに入る前には体を洗う、オムツの取れていない子はこまめにオムツをチェックする、タオルは一緒に使わない、オムツを替えたら手をよく洗うなどの予防をして、これらの感染症が広がらないようみんなで気をつけることが大切です。

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              | shirouiryo | 感染症 | 08:15 | - | - | - | - |
              うがいをできない乳児の感染症予防法
              0
                まつしま病院小児科 千葉智子先生
                (しろうジャーナルNO.76 2014年12月15日配信)

                手洗い、うがいは感染予防において、有効でお金のかからない方法としてとても有名です。しかし、1歳未満の乳児では、親が手洗いをさせることが出来てもうがいはさせられませんね。そのような年齢の子どもの感染予防の方法について、書かせて頂きます。

                ■まず、感染が成立するには・・・
                【(1)病原菌に曝露すること】
                【(2)宿主が病原菌を受け入れること】
                の要件がそろう必要があります。それぞれの予防対策について考えてみましょう。

                (1)を避けるには、人混みにはいかないこと、家族内で感染した人が場合はマスクをしてもらったり別室にしたりなるべく距離をとることなどの方法があるでしょう。

                また、胃腸炎などの感染力の強いウイルス感染症(ノロやロタウイルスなど)に関しては、吐物や便からの感染に特に注意しなければなりません。0.1%濃度の次亜塩素酸による消毒が推奨されますが、家庭にある塩素系漂白剤を水で希釈することで簡単に作れます。ビニール手袋などで手を保護し、しっかり消毒を行ってください。

                このような方法により、病原菌に触れる機会がなければもちろん感染は起こりません。

                (2)を避けるには、病原菌への抵抗力をあげる努力をすることではないでしょうか。その為に、日頃から栄養のある食事をしっかり摂ること、睡眠を十分に規則正しい生活を送ること、室内環境を快適に保つこと(室温18-20度、湿度50-60%が目安)が大切です。

                汗をかいたらすぐに着替えをすることも日常生活ですぐにできる対策の一つですね。そして、予防ワクチンがあるものに関しては接種しておくことも重要です。

                予防ワクチンを接種しても感染を起こしてしまうということもありますが、軽症ですんだり、重篤な合併症を減らしたり、と効果についてそれぞれ特徴があります。日頃からそのような情報についても確認しておくといいでしょう。

                ただ、かぜ(ほとんどがウイルス感染により、鼻水、咳を主な症状とする)に関しては、成長過程である程度は皆が通る道です。感染し、自らの体内で抗体を作ることを繰り返して、抵抗力をつけていくのです。

                少しの鼻水、咳、40度以下の発熱でも水分が摂れて元気のある場合は、様子をみても大丈夫です。様子をみていいのか分からない、というときは躊躇せずに小児科を受診させましょう。


                ■そして、幼児期に入り、少し言葉も理解できるようになってきたら、うがいや鼻をかむ練習をお風呂ですることをお勧めします。

                最初はうまくいかないのは当たり前で、周りを汚されると片付けが大変ですよね。お風呂場ならその心配もなく、楽しく遊び感覚で練習できるのではないでしょうか。

                うがいは、子どもの前でガラガラやるのを見せてあげてください。長めにやって見せたりして、最初は遊びで構いません。

                鼻をかむのは、少し難しいかもしれませんが、まずは口を閉じてフーンと鼻から息を出す練習をさせてください。これができるようになったら、片方の鼻を手で押さえてフーンと息を吐かせます。

                この時に口を開けてしまうことがあるので、口をしっかり手で押さえて開かない様に固定してあげます。

                なかなかすぐにはできるようにはならないと思いますが、鼻をかむことができると、鼻水の中に含まれているウイルスや細菌も除去し、肺炎や気管支炎、鼻炎や副鼻腔炎の予防にもつながります。鼻が通ることによって、咽頭炎のリスクを増大させるといわれている口呼吸を予防することもできます。


                どんなに親が注意をしていても、子どもは風邪を引くこともあります。しかし、これも成長過程なんだな、と、子どもの状況を判断した上で(睡眠や食事摂取などの生理的な欲求をしっかり満たせているか、それが脅かされるようなら早めに医療機関に受診してください!)、どっしり構えることができれば、子どもも安心して過ごすことができるのではないでしょうか。


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                | shirouiryo | 感染症 | 08:00 | - | - | - | - |
                予防接種はないけれど妊婦さんが気をつけた方がいい病気 (りんご病・トキソプラズマ・サイトメガロウイルスなど)
                0
                  かるがもクリニック(世田谷区) 宮原篤院長 
                  監修:トーチの会、長崎大学小児科・森内浩幸先生
                  (しろうジャーナルNO.75 2014年11月15日配信)

                  2013年度は風疹が大流行し、残念ながら先天性風疹症候群のお子さんが多く報告されました。
                  風疹は予防接種を徹底すれば予防できる病気ですが、妊婦さんが気をつけたほうがいい病気というものは他にもあり、予防接種がないものもあります。

                   妊娠中に感染すると、母親自身は軽症でも胎児への影響が大きい感染症を総じて「TORCH(トーチ)症候群」といいます。以下の病気の英語の頭文字を合わせたものです。

                  ● Toxoplasmosis(トキソプラズマ症)
                  ● Other(その他多く:B型肝炎ウイルス、コクサッキーウイルス、EBウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルス、パルボウイルスB19、梅毒など)
                  ● Rubella(風疹)
                  ● Cytomegalovirus(サイトメガロウイルス)
                  ● Herpes simplex virus(単純ヘルペスウイルス)

                  TORCHとは英語では「たいまつ」の意味です。日本では、「トーチの会」という患者会があり、先日患者会の皆様とお話を伺う機会に恵まれました。このメルマガへの寄稿のきっかけにもなりました。

                   TORCH症候群のうち、日本ではトキソプラズマ・サイトメガロウイルスの感染症が比較的多いです。それぞれ年間 5-6例・50例ほど報告されていますが、これは実数を反映していません。未報告例を含めると年間100-300例、1000例と推測されています(長崎大学森内先生)。

                  昔はこれらの病気は子供の頃に感染することが多く、妊娠中の感染はまれでした。しかし最近は生活環境の変化により、今まで感染したことのない人たちが増えました。そういった人たちが妊娠中に感染すると、胎児も感染することがあるのです。

                  感染理由は「妊娠中にユッケを食べた」とか「(胎児にとっての)兄・姉から感染した」など意外なことが多いです。また、生まれた時に明らかな問題が分からなくても、その後、視力や聴力への問題が分かることがあります。周りの無理解からくる誤解と偏見で、子どもも母親も苦しめられることになります。

                   トキソプラズマ症とサイトメガロウイルスについてそれぞれ説明していこうと思います。また、先日も「母親が妊娠しているけど、子ども(胎児にとってはお兄さん)がりんご病になったようなので、子どもがりんご病か調べて欲しい」という問い合わせがありましたので、りんご病(伝染性紅斑)についても、お話してみようかと思います。

                  【りんご病(伝染性紅斑)について】

                   伝染性紅斑は一般的にはりんご病と言われています。文字通り、頬が赤りんごの様に赤くなり(平手打ち)、手足にレース状の発疹が出ます。大人では関節痛を訴える人もいますが、基本的には予後良好です(溶血性貧血の患者さんは、溶血性貧血が悪化することがあります)。原因ウイルスはパルボウイルスB19というもので飛沫感染(唾液など)します。発疹がでた時点で既に感染力はありませんので、隔離をする必要はありません。

                   ただ、妊婦さんがかかると、流産したり胎児水腫といって胎児に重篤な症状が出ることがあります。感染の有無を調べるためには、抗体検査が必要です。しかし、この検査は疑わしい妊婦さんのみ保険での検査が可能です。詳しくはかかりつけの産婦人科にお問い合わせ下さい。


                  【トキソプラズマ症について】

                   トキソプラズマというのは原虫という寄生虫の一種です。普段はネコの腸にいますが、卵(オーシスト)が糞から排出され、土が汚染されます。トキソプラズマは非常に感染しやすく、容易に家畜や野菜、果実などを汚染します。ネコ以外の動物にトキソプラズマが感染した場合、腸に落ち着かず筋肉や脳に嚢子(のうし:シスト)という状態で迷入していきます。これは人間でも同じことです。

                  また、嚢子が入った肉を加熱が不十分な状態で食べても感染することがあります。日本で市販されているウシやブタの一部にもトキソプラズマの嚢子が確認されています。一般的に豚肉はダメだけど牛肉は生で食べても構わないと言われていますが、市販されている牛肉にも寄生虫を始めいろいろな微生物がいる可能性があるのです。

                  多くの場合は感染は無症状とされています。ただし、極端に免疫状態が低下した場合や胎盤を通して胎児に感染した場合は症状が出ます。胎児の場合は「先天性トキソプラズマ感染症」といいます。症状については、後で書きます。


                  【サイトメガロウイルスについて】

                  サイトメガロウイルスはウイルスの一種です。こちらもありふれたウイルスで、尿や唾液などを介して感染します。保育園や幼稚園などで感染することが多いです。まれに発熱したりリンパ節が腫れることがありますが、大抵の場合は症状が出ません。

                  最近はおとなでも一度も感染していない(免疫が出来ていない)方が増えてきました。最初のお子さんの時には感染しておらず、最初のお子さんが保育園でサイトメガロウイルスに感染して、さらにそのお子さんから第二子を妊娠中のお母さんに感染するということもあります。つまり、同胞(兄、姉)→母親→胎児という感染ルートです。こうして感染したお子さんの一部は様々な症状を発現し、先天性サイトメガロウイルス感染症といいます。


                  【症状について】
                   トキソプラズマとサイトメガロウイルスの母体感染で、それぞれ症状は似たところもありますし、違うところもあります。

                  ◎共通点:小頭症、水頭症、脳内石灰化、流死産、胎内死亡、子宮内胎児発育遅延、肺炎、肝脾腫、紫斑、黄疸など

                  ◎トキソプラズマ:網脈絡膜炎、小眼球症、視力障害
                  ◎サイトメガロウイルス:網脈絡膜炎、感音性難聴
                  http://toxo-cmv.org/about_meisyo.html

                   注意すべき点としては、これらの症状は全てで揃うわけではありません。また、トキソプラズマの視力障害やサイトメガロウイルスの視力障害・聴力障害は、進行性のため後で症状がわかり、感染が発覚することがあります。

                  問題はいくつかあります。

                   まずは、これらの病気に対してはワクチンは無いものの、いくつか注意していれば感染を防ぎ得たものがほとんどです。しかしながら、現実には知ることが出来ず(知らされておらず)、当事者の方々は自分たちを責めることとが多くなります。

                  また、サイトメガロウイルス感染症の場合、健康な乳幼児でも尿や唾液からウイルスを排出しているにもかかわらず、感染性があるということで入園を断られるケースも有るようです。また、感染が徐々に進行し、視力や聴力を奪っていくこともあります。トーチの会の会員の方々の体験談から、この病気の深刻さをうかがい知ることが出来ます。

                  繰り返しますが、これらの病気は予防可能です。妊娠を希望する方は、自費になりますが一度これらの抗体検査をしてみるといいでしょう。また、トーチの会から妊婦さんに向けて11箇条が出されています。他の感染症対策にも有効なものです。
                  詳しい内容はリンク先をごらんください。


                  妊娠中の感染予防のための注意事項 - 11か条

                  1. 石鹸と流水で、頻繁に手を洗ってください。
                  2. 小さな子どもとフォークやコップなどの食器を共有したり、食べ残しを食べることはやめましょう。
                  3. 肉は、しっかりと中心部まで加熱してください。
                  4. 殺菌されていないミルクや、それらから作られた乳製品は避けましょう。
                  5. 汚れたネコのトイレに触れたり、掃除をするのはやめましょう。
                  6. げっ歯類(ネズミの仲間たち)やそれらの排泄物(尿、糞)に触れないようにしましょう。
                  7. 妊娠中の性行為の際には、コンドームを使いましょう。
                  8. 母子感染症の原因となる感染症について検査しましょう。
                  9. B群溶血性レンサ球菌の保菌者であるか検査してもらいましょう。
                  10. 感染症から自分と胎児の身を守るために、妊娠前にワクチンを打ちましょう。
                  11. 感染している人との接触を避けましょう。


                   なお、インフルエンザワクチンは不活化ワクチンであり、妊婦でも接種ができます。また、海外では赤ちゃんへの百日咳予防として妊婦でも三種混合ワクチン(ただし日本では無認可のTdapワクチン)を接種している国が多いです。アメリカでは妊娠27-36週の妊婦に、赤ちゃんに百日咳の抗体が移行させるためにTdapワクチンを接種しています。

                  参考資料:
                  風邪と誤解し菌をまき散らす!! 百日咳の危険性とワクチン

                  百日咳についてその4−−百日咳の映像(当院の旧ブログです。多少ショッキングな動画があります)。


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                  | shirouiryo | 感染症 | 08:00 | - | - | - | - |
                  流行が続いている 水ぼうそう情報
                  0
                    (2014年2月15日配信)                                      阿真 京子

                    毎年、保育園で流行する水ぼうそう。一昨年、息子の通う園ではあっという間に感染が
                    広がり、70人がかかってしまったこともありました。例年は春に流行が多いかと思いますが、昨年は年末に流行がありました。

                    インフルエンザ同様、かかっても軽く済むから、と安易に考えてしまう方が多い病気。
                    でも当会の小児医療講座で小児科医から「水ぼうそうは日本で毎年約100万人がかかり、約4000人が重症化し入院、約20人が死亡しています。(近年は10人程の年も)」と聞いたときには、とても驚きました。リスクが高く免疫力が低下している子どもは、ワクチンを打ちたくても打てないことがある、ということもこの時初めて知りました。

                    その子達にとっては命とりになる水ぼうそう・・・巷に流行させないことが本当に重要なのだと認識を改めました。

                    これまで多くの小児科医から定期接種化が必要!と半ばお怒りの声もお聞きしてきましたが、ついに今秋から定期接種となるニュースが入ってきました。
                    昨年末、委員を務めている厚生労働省の第3回予防接種・ワクチン分科会では、
                    水ぼうそうのワクチンについては、1回の接種で罹患を80〜85%程度防げる、
                    そして“重症化”は“ほぼ100%防げる”、とされていると報告がありました。

                    また、1回接種で不十分な抗体上昇しか得られなかった方も、2回接種することで
                    十分な抗体を獲得することができるとの報告がありました。
                    接種の方法や期間はこれから変更の可能性もありますが、現状では以下の通りとなっています。

                    ========厚生労働省・予防接種基本方針部会資料より======================
                    ■対象年齢 生後12ヶ月から36ヶ月に至るまでの間にある者。
                    ■接種方法 2回皮下注射 3ヶ月以上の間隔をおくものとする。
                    ■標準的な接種期間 生後12ヶ月から15ヶ月まで初回接種。
                    追加接種は、初回接種終了後6ヶ月から12ヶ月までの間隔をおいて1回。
                    ■経過措置 生後36ヶ月から生後60ヶ月までで一度も打ったことのない者を対象に1回接種 ※但し、平成26年度限り
                    ※すでに水痘に罹患したことがある者は接種対象外。任意接種として既に水痘ワクチンの接種を受けたことがある者は、すでに接種した回数分の接種をうけたものとする。』
                    ========厚生労働省・予防接種基本方針部会資料ここまで======================

                    となっております。打ち忘れのある3〜5歳のお誕生日の日までのお子さんは、来年度中であれば、接種が無料となるようです。
                    (上記については現在も検討しており、現段階の案です)

                    私の周囲でも昨年末、大流行していた水ぼうそう。妊娠していた友人が、娘さんが
                    かかった際、自分に抗体がないことがわかり、自分がかかってしまうと
                    時期によっては胎児に影響が出ることもあるので、とても心配な日々を過ごしたようです。
                    水ぼうそうは現在日本のどこにいても流行してしまう病気です。
                    ワクチンの記録はもちろんのこと、罹患の記録なども母子手帳などに記録しておく、
                    ワクチンも罹患もしていない場合は妊娠前に接種が必要だと改めて思いました。

                    今回の定期接種化で、流行が収束し、水ぼうそうで命を落とす子がゼロとなる日も近いことに、胸をなで下ろしています。

                    それでは、今回はあかちゃんとこどものクリニック院長である田中秀朋先生に水ぼうそうについて詳しく解説をいただきます。
                    ======================================================================
                    あかちゃんとこどものクリニック院長・田中 秀朋

                    <水ぼうそうってどんな病気?>
                    半日くらいの間に首や顔、体幹の皮膚に水を持った発疹(水疱)や赤い丘疹がたくさ
                    ん出現し、かゆみを引き起こし、敗れた水疱はかさぶたになります。水ぼうそうにかかると1週間くらい登園や登校ができなくなります。

                    感染力が強い(空気感染するので、患者さんがいなくなった後の部屋に数十分間感染力が持続します。つまり人と接触しないのにうつされるのです)ために外出なども制限されます。ご家庭で看ていただける病児保育ならOKでしょうが、集団保育で水ぼうそうは難しいと思います。預かってもらえない可能性が高い病気です。(安易に預かる施設はそれはそれで心配です。)保護者が仕事を休まざるを得なくなります。

                    急性期は熱やかゆみに苦しんだり、治った後は皮膚にみずぼうそうの痕が残ったりする場合があります。とびひ(伝染性膿痂疹)になってしまったり、アトピー性皮膚炎の症状が悪化したりすることもあります。

                    大人や免疫不全の人がかかると重症化し、肺炎になったり、命を落としたりすることがあります。今でも日本で毎年十数名の方が水ぼうそうで命を落としています。

                    水ぼうそうにかかった人は、将来帯状疱疹という病気で長期間つらい痛みに苦しむ可能性が高いと考えられます。水ぼうそうの治療薬はありますが、軽症で済ませるためにもワクチンで予防すべき、と私は考えます。

                    <水ぼうそうになったら?>
                    水ぼうそうは治療薬があるので、発症したら早めに治療開始した方がよいので、疑ったら小児科を受診すべきと考えます。その際に、待合室などで周囲に感染させてしまうので、当院では入口も分けて、隔離室で待機、診察を行います。直接の接触がなくても感染する可能性があるので、事前に受診することを電話で伝えて、待機場所も指示してもらうことが望ましいと思います。

                    <ワクチンはいつ受けるの?>
                     1歳になったらワクチンを受けられます。1回接種での予防効果は70-80%と言われ
                    ています。ワクチン接種者の1/4から1/3の人が罹患しますが、その場合も症状が軽く
                    済みます。(発疹の数が少ない、かさぶたにならずに治るなど)2回接種によって予
                    防効果はさらに高まります。私のクリニックでは、多くの1歳児が誕生日から1か月以
                    内にMRワクチンと一緒に水痘ワクチンとおたふくかぜワクチンを接種しています。

                    <緊急接種って何?>
                     水ぼうそう患者と接触して72時間以内に水ぼうそうワクチンを接種すれば予防可能とされています。実際には、72時間以上前の接触によって発症することもありますので、この緊急接種で確実に予防ができるとは限りません。空気感染する水痘は、患者との直接の接触がなくても感染することがあるからです。子どもが1歳になったら早めに接種することをお勧めします。

                    ※免疫力が低い子どもとは?
                    先天性の免疫不全症の患者さんや白血病や悪性腫瘍の患者さん、臓器移植後に免疫抑制剤を投与している患者さんが該当します。これは子どもに限らず大人でも一緒です。

                    あかちゃんとこどものクリニック院長・田中 秀朋「水ぼうそうってどんな病気?」より
                    =======================================================================

                    (日経DUAL 「保育園で流行する水ぼうそう、なったらどうする?」 
                     より加筆掲載)
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