しろうジャーナル 掲載記事ブログ

子どもの円形脱毛症について
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    子ども 心と育ちのクリニック

    小児科医 森 享子

     

    ■円形脱毛症ってなあに?

     

    「円形脱毛症」は子どもにも時々見られる疾患で、

    髪の毛に関連した受診では「抜毛症」とともに代表的な疾患の一つです。

    名前の通り髪の毛がまるく抜けてしまうのですが、1か所だけだったり、複数だったり、

    大きさや形により様々な型があります。髪の毛だけではなく、まつげや眉毛、

    体毛などが抜けてしまう場合もあります。

     

    一方、「抜毛症」は自分で毛を抜いてしまう疾患で、円形脱毛症との区別が必要です。

    円形脱毛症は、基本は円形で触るとつるつると平滑であり、周囲の毛髪も容易に抜けやすいのに対して、

    抜毛症は周囲に短い切れ毛が多く、触るとざらざらしていることが多いです。

    勉強中やTVを見ているなど何かに集中している時に、髪を抜いていることが多いようです。

    両者が合併していることもあります。

     

     

    ■原因について 

     

    何か大きなストレスによるものではないかと考えられがちですが、

    直接的な原因としては自己免疫疾患説が有力です。

    自分の身体の一部(毛包組織)を異物とみなして、免疫細胞が攻撃してしまうのです。

    その免疫細胞の誤作動の引き金として、ストレス、感染、疲労、遺伝による体質などが

    かかわっているのではないかと考えられていますが、実際には明らかな誘因がないことも多くあります。

     

    ■治療について

     

    単発であったり、脱毛斑が数個以内と軽症の場合は、およそ8割が1年以内に、

    特に治療をしなくても自然に治ると言われています。

    1年以内といっても一度抜けた毛髪が生えてくるにはかなり時間がかかりますので、

    根気よく待つことが大切です。

     

    まだらに抜けたり、蛇行している場合などは、長期的な治療が必要となりやすい傾向があります。

     

    まずは、規則正しい生活習慣とともに、誘因となりうるストレスなどがないかアンテナを張ってみましょう。
    髪が抜けるということは、子どもによっては大きなショックを受けることもあります。
    家族が必要以上に心配したり、人目を気にしすぎしないように意識し、髪型を工夫したり、
    大きなリボンやバンダナ、帽子などで、前向きに過ごせるようサポートするとよいでしょう。

     

    範囲が広く、本人のストレスが大きそうな場合には、子ども用ウィッグを使うこともあります。

    また学校では、からかわれないよう周囲に疾患の理解を促したり、

    必要に応じて配慮を求めるとよいでしょう。子どもとよく話し合って、気持ちを汲んであげることが大切です。

     

    薬物療法としては、免疫機能を抑制して炎症を抑えるステロイド外用薬や、

    血行を良くして発毛を促す塩化カルプロニウム外用(フロジン液)などがあります。

    そのまま様子を見てよいものか、感染などほかの病気がないか確認するためにも、

    もし脱毛に気がついたら、皮膚科を受診するとよいでしょう。


     
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    | shirouiryo | 子どもの円形脱毛症 | 06:00 | - | - | - | - |
    <子どもの嘔吐> 子どもが突然吐いてしまったとき 注意すべきポイントと家庭でのケアについて
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      国立国際医療研究センター国際医療協力局

      「子どもの救急医」

      井上 信明

       

       

      子どもが嘔吐してしまったとき、親御さんは心配になることでしょう。

      すぐに受診すべきか、家庭で様子をみてよいのか、

      注意すべきポイントと家庭でのケアについてご紹介します。

       

      子どもが嘔吐する原因は様々であり、年齢によっても考えるべき原因が異なるため、

      一概に述べることはできませんが、次のような原因が考えられます。

       

       

      子どもの嘔吐の原因

       

      ・感染性胃腸炎ウイルス性胃腸炎や細菌性胃腸炎など)

      ・腸閉塞(腸重積)、尿路感染症、頭蓋内感染症などの病気

      ・頭部外傷

      ・アセトン血性嘔吐症

      ・食物アレルギー

      ・溢乳

      ・薬剤などの誤飲   など

       

       

      【注意すべきポイント】

      ご自宅ではお子さんのどのようなサインに注意すべきなのでしょうか。

      ポイントになるのは、「ぐったりしているか」です。

       

      お子さんがぐったりしているとき、脳へ十分な糖分や酸素が運ばれていない可能性があります。

      このような場合、脳が正常な機能を果たせない重篤な状態である危険性があり、注意が必要です。

       

       

      ★★★危険な兆候

      ・激しくお腹を痛がる

      ・嘔吐物に血が混じっている

      ・嘔吐物の色が濃い緑色である(胆汁性嘔吐といいます)

       

      ★★重篤な状態である可能性

      ・顔色が悪い

      ・意識がおかしい

      ・眠ってばかりいる

       

      注意が必要

      ・便に血が混じる

      ・生後間もない赤ちゃんの場合は慎重な対応が必要

       

       

      ご自宅では吐いた後のお子さんがどのような状態か、

      どのようなものを吐いたか、何度も吐いていないか、

      脱水症状(皮膚のはりがない、汗・涙・おしっこなどが出ない、

      舌や唇が乾いているなど)を起こしていないかなどをよく見ておくことが大切です。

       

      お腹いっぱいに食べたり飲んだりした直後や、食後すぐに遊び始めたときに嘔吐した場合は、

      食べ過ぎや物理的におなかが圧迫されたことが原因である場合がほとんどです。

      また、吐く直前になにかを咥えていたならば、反射性の嘔吐考えられます。

       

      基本的には、嘔吐を繰り返すことがなく、熱もなく、顔色も悪くない、

      前項にあるような他の症状が見られない、吐いた後も「元気」「機嫌が良い」場合などは、

      慌てて病院を受診する必要はなく、ご自宅で様子をみてもよいといえるでしょう。

       

      いずれにしても、最も頼りにできるのは親御さんの直感だと考えています。

      親御さんが「様子がおかしい」と思ったら、躊躇( ちゅうちょ ) せずに病院を受診してください。

      また受診の際は、以下の内容を伝えていただくと、症状の判断に役立ちます。

       

       

       ◆◆受診をする際、医師に伝えてほしいこと◆◆ 

       

      ・嘔吐をはじめた日時/最後に吐いた日時/吐いた回数

       

      ・吐いたものの特徴は?

      (例:酸っぱい匂いがする・ウンチの匂いに似ている・コーヒーの残りカスのよう・

      黄色あるいは緑色の吐物 など)

       

      ・最近旅行に行きましたか? 

       

      ・最近なまものを食べましたか? 

       

      ・周囲に吐いている人はいますか?

       

      ・頭を打ちましたか? 大きなけがをしていませんか?

       

      ・薬を誤って飲んだ可能性はありますか?

       

      ・オムツを何回替えましたか? または何回おしっこに行きましたか?

       

       

       

      【家庭でのケア】

      吐いた直後は胃を休ませるため、30分〜1時間はなるべく飲食物を与えないようにしましょう。

      これは、吐いた直後にたくさん飲食すると、また吐いてしまう可能性があるからです。

       

       

      ●水分の与え方の注意点

      嘔吐すると水分を受け付けなくなり、長時間嘔吐していると脱水状態になる可能性があります。

      そのため、水分を適切に補給させることが大切です。

       

      ぐったりしていたり、尿の量が減ってきたりしたら、脱水が進行している可能性が考えられます。

      逆にいえば、たとえ吐いてしまった後でも喉の渇きを訴えず、

      元気そうであれば脱水の心配はありません。

       

      嘔吐後の容態が安定しているようならば、後述する経口補水液

      少量(1回あたりスプーン小さじ1杯分あるいはペットボトルのキャップ1杯分)ずつ与えます。

       

      目安として、体重10キロのお子さんであれば500佞離撻奪肇椒肇1本分を

      4時間かけて飲ませるくらいのペースが適切です。

       

      それでも吐き続ける、あるいは下痢が止まらず脱水が進行するような場合は

      さらに追加して水分を摂取させましょう。

      体重10キロ以上のお子さんであれば、嘔吐や下痢をするたびに150嫩度飲ませてあげることで

      脱水の進行を防ぐことができます。

       

       

      201806

       

       

      脱水状態を回復させるために有効な経口補水液

      水分は、ただの水やお茶よりも塩分などの電解質を含む物のほうが望ましいと考えられます。

      市販のものであれば薬局やドラッグストアなどで売っている、

      塩分や糖分が調整された「経口補水液」がおすすめです。

       

      経口補水液は自宅でも作ることができます。

      一度沸騰させた水1リットルに対し、塩3g(小さじ1/2)、砂糖40g(大さじ41/2)を

      溶けるまでしっかりと混ぜる完成しますので、手軽に出来ます。

       

      お子さんが飲みにくいと言う場合は、レモン汁などを加えると飲みやすくなります。

       

      食事を与えるときの注意点

      水分を与えても嘔吐しなくなったことを確認したら、おかゆ、柔らかいパンなどを与えます。

      消化に時間のかかる肉類や繊維質の多い野菜類は、しばらく控えたほうが無難です。

       

      また、乳製品を摂取することで下痢がひどくなることもありますので、

      乳製品を摂取してお腹の調子が悪くなるようであれば、控えるようにしましょう。

      その他糖分の多いジュースなども下痢を引き起こしやすいため、飲ませないほうがよいです。

       

      いずれの方法でも、吐いたものがのどに詰まらないように、

      仰向けに寝た状態で嘔吐したときは横を向かせましょう。

       

       

      【最後に】

      嘔吐の最も多い原因はウイルス性胃腸炎を代表とする感染性胃腸炎です。

      胃腸炎では通常、胃の動きが停滞し、嘔吐が始まります。その後、炎症が腸に及ぶと下痢が始まります。

       

      胃腸炎による嘔吐は、吐き始めた頃に回数が最も多くなることが一般的で、次第に下痢が始まります。

      頻回に吐く状態が何日も続くわけではありません。

       

      ご自身の子どもが吐いてしまうと、親としては当然不安になるでしょう。

      しかし、胃腸炎であれば数日もすれば自分で飲んだり食べられるようになるため、

      大きな心配はいりません。

       

      とはいえ、上記に挙げた方法を行っても吐き続ける場合は点滴が必要になることもあります。

      そのような場合は、病院を受診したほうがよいです。

       

      なお、周囲への感染力が強いため、お子さんの嘔吐物や排泄物を触った可能性がある場合は、

      家族もしっかり石けんでの手洗いをするなど感染予防対策をする必要があります。

       

      胃腸炎であれば、基本的には心配いりませんが、嘔吐は原因を特定することが難しい症状のひとつであり、

      には重症な病気が原因となっていることもあります。

       

      私たち小児救急に従事する医師は、「吐いている=胃腸炎」と安易に考えず、

      想定しうる様々な重症疾患を除外するために問診と診察を行い、重症疾患を見逃さないように努めています。

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