しろうジャーナル 掲載記事ブログ

子どもの乗り物酔いの原因とその対策
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    なごみクリニック(横浜市瀬谷区)

    院長 武井 智昭

     

     

    いよいよゴールデンウィーク、そして夏休み。子どもと車で出かけることも多くなりますが、

    気になることとして、「乗り物酔い」があります。

    楽しいはずの時間が、この乗り物酔いで、つらい時間となることがあります。

    ここでは、こどもの乗り物酔いの原因と、その対策に関してご紹介します。

     

    【乗り物酔いが起きるメカニズム】

     

    そもそも、車酔いを含めた「乗り物酔い」とは、どのようなメカニズムで起きるのでしょうか。

    乗り物酔いは「動揺病」とも表現されることがあり、左右上下の平衡感覚とバランス感覚の異常が起きる事により、

    めまい、胃のむかつき、吐き気の症状がみられます。

     

    耳の奥に「三半規管」というバランスを保つ器官がありますが、

    ここに前後・左右・上下・回転するなどの刺激が繰り返されると、変化に対応できなくなり、

    こうしためまいに似た症状がみられます。

     

     

    【乗り物酔いが起きやすい年齢】

     

    この乗り物酔いですが、未就学児(幼稚園・保育園児など)が、起こす頻度は低く、

    小学校入学後、学年が上がるにつれてその割合が増加していきます。

     

    理由としては、小児の脳の発達と関連があると言われています。

    3歳くらいまでは、バランスをとる小脳全体が未発達のため、乗り物などの振動への感覚は鋭くありません。

     

    この小脳の機能が4歳くらいになると発達して、外部からの刺激に敏感となり、

    また、三半規管も発達してくるため、乗り物酔いを訴える子どもの割合が増加します。

     

    20180415

     

     

    【乗り物酔いを予防するには】

     

    まずは体のコンディションを安定させることです。

    車などに乗る前には空腹・満腹の状態は避けてください。この状態では、胃腸が刺激され、

    吐き気が出やすいからです。

    前日の睡眠不足や疲れなどでも、自律神経がアンバランスになりやすくなります。

     

    また、自家用車では、「進行方向に背を向けない」、「エアコンを止めて自然の風で温度調節をする」、

    「芳香剤などの匂いを避ける」ことが重要です。

    バスや飛行機では、揺れが少ない前方の席を選ぶこともポイントです。

    携帯のゲームやスマホなどは避けてください。

     

    なにより、乗り物酔いの症状は精神的な要素でも悪化しますので、

    「乗り物酔いをしない」という自信をつけ、不安に陥らないように、親などがサポートしてあげることが重要です。

     

    普段の生活でも、ブランコや滑り台、鉄棒やでんぐり返し、平均台などの揺れやスピードに慣れておくこと、

    バランス感覚を鍛えておくことも重要です。

     

     

    【乗り物酔いが起きてしまったら】

     

    自家用車であれば、まず車を止めて新鮮な空気を吸い、水分補給をしてください。

    すぐに降りられない場合は、「遠くを見つめる」、「しっかりと力を入れて目を開ける」、

    「シートを倒して横になる」など、できるだけ揺れによる刺激を少なくして、楽な姿勢をとってください。

     

     

    【酔い止めの薬について】

     

    酔い止め薬は、事前に飲んで予防することもできますし、

    酔ったときに症状を和らげてくれるものとしても使えます。

    「ドロップタイプ」と「ドリンクタイプ」があり、子どもでも飲みやすい味や形状になっています。

     

    ただし、商品によっては服用できる年齢や服用量が異なるので、

    使用上の注意をよく読んでから使ってください。

     

     

    【まとめ】

    車酔いを含めた乗り物酔いは、小脳や三半規管の過敏性による、

    自律神経のアンバランスで起こりますが、自己暗示の部分もあります。

     

    乗り物酔いの対策を日常で行いながらも、家族みなさんが楽しい時間を過ごせるように、

    お子さんを安心させて、無理のない移動を計画してください。

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    | shirouiryo | 子供の乗り物酔い | 07:00 | - | - | - | - |
    復職に向けた母乳育児に関するご質問にお答えします!
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      ひだまりクリニック  助産師 IBCLC 伊藤敦美

       

      質問:

      4月に復職を迎えます。復職を前に、卒乳したほうがいいのかなと思うけれど、

      入園や復職準備で大変な上に、子どもが風邪をひいたりしていて、計画通り進むか心配です・・・。

       

      回答:

      はじめにお伝えしたいことは、 卒乳した方が良いかというご質問について、

      復職によってやめなければならないというわけではありません。

       

      母乳育児には、お子さんの月齢や成長発達、個性、お母さんの気持ちに合わせて、

      多様な選択肢があります。

      また二人が「どうしたいか」に柔軟に対応できる機能を、お母さんの身体、

      お子さんのこころは持ち合わせていると考えてみるとよいと思います。

       

       

      【卒乳の時期や方法に一概に「これが正解!」はありません】

      それぞれの最適な卒乳の時期は、親子ごとに異なります。

      100組の親子がいれば、100通りの物語があり、すべての親子が尊重されてよいものだと

      思います。

      私たち助産師は、そのような考えのもと、伴走していきたいと考えています。

      続けたい方は、心地よく続けられるよう、やめたい方は、お子さんの様子を見ながら

      徐々に授乳間隔を伸ばしていき卒業できるよう、

      迷っている方は、以下の内容を踏まえ、ピンときたものを選択しても良いですし、

      とりあえず判断せずに流れゆくままにでも。

       

      様々なお気持ちの方がいらっしゃると思いますので、このご質問を機会に、復職などの

      きっかけと卒乳について、以下にご紹介します。

       

      【子どもの成長とともに・・・】

      おっぱいの分泌は、需要と供給で成り立っていて、

      授乳や搾乳でおっぱいが乳房から出ることによって、次の量が決まっていきます。

       

      授乳や搾乳をせず、おっぱいが乳房に留まると、徐々に分泌を抑える成分が身体の中で作られ、

      さらに授乳をしない時間が続くと、72時間以降には、おっぱいを作る細胞がどんどん減り、

      脂肪組織に変わっていくと言われています。

       

      卒乳は、月齢とともに徐々に授乳回数が減る中で、分泌を枯渇させていく身体の仕組みを利用した、

      とてもシンプルなもので、成長に合わせた生活を取り入れることで、

      お子さんの成長と共に、おっぱいはその役目を終わらせていくのです。

       

       

      【搾乳という選択肢】

      母乳を搾乳して保育園に持参したい方もいらっしゃると思います。

      各自治体や保育園などで基準があるので、面接で希望を伝え、

      1日に必要な搾乳量を相談し、保育園へ持参ください。

       

      搾乳の持ち込み方や保存方法、期間などもご確認ください。

      搾乳は電動搾乳機でも手による搾乳でも構いません。

       

      搾乳の方法は、以下のリンクからご覧ください。

      (参考)http://jalc-net.jp/FAQ/ans11.pdf

      (出典:日本ラクテーションコンサルタント協会)

       

       

      【部分的な卒乳(日中断乳)という選択肢】

      保育園にいる間はミルクで、それ以外の時間は授乳を続けるという、

      ゆるく授乳を続ける選択肢もあります。

      保育園に行くと、はじめの頃は体調を崩す機会も増えたり、

      母子で同じ感染症にかかる場合もありますが、母の体が作った免疫物質は母乳にも含まれ、

      お子さんにも届きます。

       

      また、母乳は胃で速やかに吸収しやすいため、脱水の予防や補正に効果が期待されます。

       

      保育園に行っても授乳を続けることは、免疫面、栄養や水分の補てん、夜泣きなど、

      お子さんの気持ちの調整に役に立つかもしれません.

       

       

      実際の方法ですが、慣らし保育が始まってから、分泌のコントロールを行います。

      お子さんが保育園にいる間は、お母さんはおっぱいのことを考えずに過ごし、

      お迎え後、お子さんが欲しがったら与えましょう。

      徐々に保育時間が長くなると同時に、乳汁を出さない時間を伸ばして行き、

      身体に日中は乳汁を作らなくて良いことを覚えさせます。

       

      慣らし保育時間は徐々に長くなっていきますが、土日や体調不良時のお休みで、

      お子さんによっては、「今日は、ママいなくならないよね?」と確認したく、

      一緒にいる間ずっとおっぱいを吸い付いている子もいます。

      自分で気持ちを調整しているので、飲みたいリズムに合わせてあげて構いません。

      保育園の生活に慣れてくれば、また、リズムが戻るでしょう。

       

      保育時間が長くなっていくと、おっぱいの張りが強いことがあるかもしれません。

      仕事中に気になったり、痛みを伴う場合は、少し楽になるくらいまで搾乳してください。

       

      月日とともにお休みを挟んでも、搾乳などせず気にせず仕事に集中できるようになります。

       

       

      【卒乳という選択肢】

      お二人の生活が安定し体調も良いときや、そろそろかな?と思ったら、お子さんと相談し、

      少しずつ授乳をスキップしていきます。

       

      親子にとって、最小限の授乳回数だと感じたところで、最後の授乳を行い、

      そこから飲まないように、日中はしっかり遊ばせ、

      お子さんがおっぱいを忘れる時間を積極的に作りましょう。

       

      夜間もお子さんが泣くかもしれません。受け止め、お母さん自身も休めるようお父さんなど、

      頼れるサポーターがいてくれると良いでしょう。

       

      搾乳の頻度や量は、個別性が大きいので、張りに合わせて授乳感覚や搾乳量を延ばしていきましょう。

      張りが強く分泌が多い方は、焦らず日数をかけることで徐々に枯渇させることで乳腺炎の予防になります。

       

      どの程度の張りで搾乳するかの目安は、「おっぱいに触れただけで痛い」、

      「お子さんの求めることに対応するのがつらい」といった程度までは

      張らせず搾乳したほうが良いでしょう。

       

      張りがなく、搾乳しても全く、またはほとんど乳汁がでないことが、卒乳が完了です。

       

      お子さんによっては、卒乳中から後も、抱っこを求めたり、よく泣いたり、

      おっぱいに触れる子がいます、受け入れて折り合いがつけられるようサポートしてあげてください。

      (月齢や食事の進み具合によっては、ミルクが必要な場合もあります。)

       

       

      【乳腺炎について】

      高熱や全身のダルさ、乳房の赤身や痛みなどの症状が出ます。

      しかし風邪と同様、必ずしも受診や抗生剤の投与が適応するわけではありません。

       

      ゆっくり休みつつ、冷やしたり温めたりと、気持ちの良いほうを試し、

      効果的に乳汁を外に出す(授乳を再開したり、搾乳する)ことで、

      症状が軽快すれば、ご自身で解決できているでしょう。

       

      解熱鎮痛剤を内服しながら対応すると、授乳や搾乳で乳汁を出す効果もより高まるといわれています。

      迷うとき、つらいときは、遠慮なく助産師にご相談ください。

       

       

      【授乳を続ける場合のお母さんの食事】

      これまで同様、お母さんの食事によっておっぱいの質は大きく変わりません。

      基本的にバランスよく食べていれば、お肉やケーキなどの甘いものを食べても構いません。

      コーヒーなども全くダメということではありません。

       

      栄養価の少ない食事を続けることでお母さんの体調が崩れやすかったりするので

      バランスよく色々な食事を楽しんでください。

       

      また、お母さんの体調不良時、服薬も多くの薬は、影響なく飲めます。

      (参考)妊娠と薬、授乳と薬 http://shiroujournal.jugem.jp/?eid=168

       

       

      【離乳食の進みとの兼ね合い】

      生後6か月以降は、母乳やミルクから取れる栄養に上限があるため、
      離乳食を開始し、様々な食材を試していくことを推奨しています。

      (参考)赤ちゃんの「鉄欠乏性貧血」と母乳 http://shiroujournal.jugem.jp/?eid=174

       

      一方で、食事が思うように進まず、授乳回数が減らないお子さんも少なくなく、

      心配されることもあるでしょう。

       

      食の進みは、個人差が大きく、成長発達は多様性に富んでいます。

      我が子の個性や育ちを、焦らずドシっと構えながらも、

      どこか食べるために工夫する余地はあるか?と、色々と試しながら、

      信頼できる専門職と共に成長を見守っていただけたらと思います。

       

       

      【さいごに…】

      4月を目前に、子育てと仕事の両立がうまくいくか、不安や心配があるかと思います。

      お互いのリズムがつくまでは、大変だなと感じることもあるでしょう。

       

      お子さんの応援もしつつ、ご自身のことも良くやっているとほめてあげてください。

      いずれ離れている間もお互いの時間を楽しめるようになるでしょう。

       

      卒乳について迷ったら、やめる判断を先延ばしにするという選択肢もあります。

      やめようと決めて、道半ばで再開に至った場合も、失敗したとは考えず、

      「いずれ機が熟す、まだ今は早かったのだ!」という考え方で大丈夫です。

       

      自分たちにとって良いと思った時期が、最適の時期、です。

      お母さんのどんな決断も応援しますし、迷った時は、伴走します。

      気軽に助産師に声をかけてください。

       

       

       

       

       

       

      授乳期間について参考になる指針

      ●日本の乳幼児の栄養指導指針(厚生労働省「授乳と離乳の支援ガイド 実践の手引き」)

      離乳の完了(平均月齢12〜18か月)とは、

      「大部分の栄養を食事からとれるようになること」で、

      「母乳や育児用ミルクを飲んでいないことを意味するものではない」とし、

      「子どもには、それぞれ個性があるので、画一的な進め方にならないように留意しなければならない」と記しています。

       

      ●WHO(世界保健機構)とユニセフの共同発表(乳幼児の栄養に関する運動戦略 「イノチェンティ宣言」 2005)

      「6か月以降、補完食(※母乳に加えて栄養素を補給する食事)を始めたのちも、2歳かそれ以上まで、母乳育児を続けるように保証すること」としています。

       

       

      参考文献 など

      ・NPO法人 日本ラクテーションコンサルタント協会

      ・厚生労働省 「授乳と離乳の支援ガイド」

      ・ 赤ちゃんとお母さんにやさしい母乳育児支援ガイド ベーシック・コース「母乳育児成功のための10か条」の実践  UNICEF/WHO 著 医学書院 2009

      ・母乳育児支援スタンダード 第2版 NPO法人日本ラクテーション・コンサルタント協会編

      医学書院 2015

      ・お母さんも支援者も自信がつく 母乳育児支援コミュニケーション術  

      本郷寛子・新井基子・五十嵐祐子 南山堂 2012

      ・乳腺炎 2015 母乳育児支援業務基準 第2版 公益社団法人 日本助産師会           

      母乳育児支援業務基 準検討特別委員会 日本助産師出版 2015

      ・「補完食:母乳で育っている子どもの家庭の食事」

      2006 Complementary feeding: Family foods for breastfed children. 2000

       

       

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